2009年 06月 26日
ひと月ほど前から、国道18号線の追分から借宿間と、国道から2kmほど北の浅間山麓を徘徊する2頭のハナレザルの目撃情報が寄せられてきました。中には、数件の人家侵入被害や、威嚇を受けたという話も多くありました。 情報が寄せられるたびに、役場のサル追い隊員が出かけて行きますが、発信器のついた群れと違い、発見するのも容易ではありません。寄せられた情報は、大小2頭のサルということで、「親子のサルがいる」という電話が多いようです。今朝(6/26. 07:35)古宿公民館付近で追った2頭は中型のおとなオスと4才程度の若ザルで、畑のものを狙っていたというより、熟し始めているクワの実を食べ歩いている様子でした。国道北の山地の方に追いたかったのですが、通勤時間帯で国道が混んでいた事もあり、国道南を西へ移動し、碓氷バイパス合流点付近で見失いました。 一般の方から寄せられるハナレザルの情報には、「子供連れ」「親子」という表現が多々あります。ハナレザルは単独〜数頭のオスで、メスを含む場合は群れの分裂と考えるのが一般的です。軽井沢の群れは2年前の無謀な捕獲以来、群れの構造が不安定になり、いつ分裂してもおかしくない状態が続いているため、メスや赤ん坊が含まれる情報には敏感にならざるをえません。情報を寄せていただいた方には、小さい方のサルが「抱かれていたか? 背中に乗っていたか? ネコより大きいか小さいか?」など、確認するのが良さそうです。 ハナレザルを見つけて、さてどうするか? というのがまた容易な事ではありません。今朝は住民も4~5人出ていて、畑の点在する地区からは追い出したのですが、その先数百メートルには次の畑作地帯があり、問題の解決にはなりません。市街地で八百屋などに執着するハナレザルには檻による捕獲が有効で、今年の春には旧軽井沢の真ん中で1頭が役場により捕獲されています。しかし、この2頭のように、3km四方を毎日移動しているようなハナレザルの後を追いかけても、檻を仕掛けて捕獲できる可能性はかなり低いといわざるをえません。 発見されるのは人家の多い場所ですから、銃器の使用は難しく、発信器のついていない少数のサルを銃が使える山中まで追い立てるのも、山中に別荘の多い軽井沢では容易な事ではありません。数の多い集団が一時的に群れから分派した場合は、群れの方へ追い立てて合流させるようにしてきましたが、今回のように長期間固定した加害性の高いハナレザルを群れに入れるのは、群れ全体の加害性を高めかねません。麻酔銃の使用や、大勢で囲んで捕獲する・・・・・等、何らかのマニュアルを考える必要があります。 (文責 寺山光廣)
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| 2009-06-26 11:19
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広く豊かな自然がありながら、市街地や農地を荒し回る軽井沢のニホンザル。人間とサルの望ましい関係を、観察と対策の実践の中から模索する人々のネットワークをめざしています。 by k-saru-net カテゴリ
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