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2010年 01月 03日
餌付けされたイノシシの危険性

 軽井沢駅から東へ約1.5km、国道18号の旧道は緩やかな坂を上って、群馬県との境に達します。その辺りの軽井沢町内は矢ケ崎地区、県境は旧国道碓氷峠と呼ばれています。県境の尾根は、長野県側では比較的傾斜がゆるいのですが、群馬県側は傾斜のきつい岩盤の上に薄く土壌がのっていて、あちらこちらで水がにじみ出ています。昨年(2009)のはじめ頃から、峠の先にイノシシのぬた場と思われる水たまりが見られるようになりました。
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 旧道とはいえ、夜も車が通る国道脇でイノシシが水浴びや泥浴びをしているのも不思議なものですが、観光客が車を停めて景色や案内看板を見る峠から50mあまりの地点ですから、徘徊するイノシシに突き飛ばされないとも限りません。群馬県側のサルの群れが時々町内に侵入するルートにあたるため、毎週1~2度は見回りに行くのですが、日暮れ時に車を停めるとウリ坊が4匹、車にすり寄ってきたことがありました。背後の薮には母イノシシもいたことでしょう。
 その後、何度か峠でサルの群れを追い返している時に、周辺にエサを置いて行く町民に出会いました。本人とも話しましたが、ネコにエサをやっているだけだと言われました。置いて行くエサは大量のキャベツやレタスのくず。最近は食パンや豆腐が置いてあることもあります。役場でも問題になり、長野県側に看板が立てられました。
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 残念ながら、その後も県境を越えて群馬県側でエサやりが続いています。今や、峠から200mほどの範囲に4~5カ所のぬた場が出来ています。車を停めると、闇の中でガサガサ動く気配も感じます。
 県境の尾根では、最近ヤマビルが発生しているようで、ニホンジカの通り道になっていることが考えられます。クマ、サル、カモシカ、イノシシ、シカなど、大型ほ乳類の多い所ですが、峠の西は200mほどから市街地が広がり、県境尾根には別荘地があります。野生動物の領域と人の住む領域が接している場所ですから、野生動物のきめ細かい管理体制が必要と思われます。同時に、豊かな自然に接して暮らす住民の側の学習も望まれます。
・・・・・追記・・・・・・
 1月5日、国道碓氷峠の新雪の上に置かれたエサ。大量の豆腐、リンゴ、パン、バナナ、キャットフード。峠から少し群馬県側に下った所にも、よくエサが置かれるのですが、この日の夜、その場所にはニホンザルの群れ(碓氷群)が泊っていました。
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by k-saru-net | 2010-01-03 15:17 | その他の動物・自然一般


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