2010年 06月 26日
昨年10月23日、交尾期をむかえたニホンザルのオスが、カメラを向けた私を威嚇してきました。歯を剥き出しにして目をむいた形相はけっこう迫力がありますが、ひるまずかまえていると、こちらのコブシやケリが届く範囲のちょっと手前で引き返します。通常は群れのメスザルに認められたガードマン役のオスザルが1頭で威嚇してくる事が多いのですが、時には気の強いメスザルが威嚇することもあります。このときは、近くにいた交尾途中のメスザルも何度か一緒に威嚇してきました。サルと目を合わせずに後ずさりするようにと書かれていることがありますが、人間を威嚇しても無駄だと思い知らせるために、私はサルを睨みつけながらゆっくりと、足場の良い所では駆け足で向かっていきます。 これまでに数十回威嚇をはね返して、一度も実際に接触することなく、ザルの方が去っていきましたが、だれにでもおすすめの方法かどうか、ちょっと自信はありません。棒切れや石を拾って身構えると、威嚇をはね返しやすい事はあります。車にはねられたコザルを拾い上げると、周囲のオスメス多数が集団で向かって取り返しにくる事もあります。コザルに人間の恐さを覚えさせようと、樹上に取り残されたコザルをいじめていると、やはり周囲のオスメスが複数で向かってきます。単純な威嚇よりも強く接近してきます。 野生動物の行動を擬人化して理解することは避けるようにしています。まして、動物の行動を都合良く取り上げて、人間の行動を正当化するのは危険です。しかし、できるだけ冷静に観察して、威嚇・攻撃が何かの目的をもつものなのか、恐怖にかられての行動なのか、出会い頭のアクシデントなのか、メスザルにオスが「いいかっこ」したいのか(案外多いように思います)・・・・・考えてみるのは無駄ではないでしょう。サルの行動を理解し、「里」では人間の優位を保ち、棲み分けにつながるように人間の方が有効な行動をとるようにしたいものです。
by k-saru-net
| 2010-06-26 15:43
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広く豊かな自然がありながら、市街地や農地を荒し回る軽井沢のニホンザル。人間とサルの望ましい関係を、観察と対策の実践の中から模索する人々のネットワークをめざしています。 by k-saru-net カテゴリ
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