2010年 11月 03日
タイトルの日付は写真の撮影日です。前々日の10月31日早朝、サルの群れの中の数匹がこのヤマブドウに群がっていました。食べ尽くすわけではなく、つるにも地上にもたくさん残っていました。 クリの実が木から落ちて、群れのサルが地上でクリ拾いに明け暮れるようになっても、一部のサルが高い梢で餌探しをする姿も見られます。多くの場合、ヤマブドウがお目当てのようです。この季節に樹上で食べるサルナシとホウの木の実は、私が見た範囲では不作です。今年クマの出没にともない、秋の山の実りは不作と報道されていますが、軽井沢で見る限り、一概に不作とは言えないと思います。コナラ・ミズナラは全体的には不作ですが、場所によってはかなり見つかります。クリは平年作。熟す時期がだらだらと長かった(木や場所によるばらつきが大きかった)ように感じます。春に花の多かったヤマボウシは不作で、早い時期に食べ尽くしてしまったようです。これから餌になるイチイは不作、ムラサキシキブは実が色づいています。ミズキは場所によるばらつきが大きく、ミツバウツギは平年並みでしょう。 山の餌が不足かどうかは、それぞれの動物によって異なるでしょう。それも、過去数年のその動物の増減によっても、必要量は違ってくるでしょうし、秋に特定の餌にどれだけ依存しているか、多様な餌に対するフレクシビリティーは動物によって異なるでしょう。ニホンザルの群れは、同じ地方でも群れごとに、食べるものに少しずつ違いがあるようです。餌の不足が新しい「食文化」を導く可能性もあります。動物にとって、ある程度の不足は弱い個体の淘汰を通じて、種としての健全性を維持するという面もあるでしょう。 以前、人が置いたと思われるドングリや栽培クリが、別荘地内で大量に見つかった事があります。また冬を前にして別荘を閉める時に、残った米をばらまいて帰る人もいます。この秋、組織的に全国広範囲でドングリのばらまきが行われている可能性があります。その問題点については、多くの研究者や現場から指摘されていますが、ここでも最近読んだ研究報告を一つ紹介します。 軽井沢のニホンザルについては、その遊動域の山はほとんどが別荘地になっています。自然林か人工林か、奥山か里山か、という見方とはまた違う側面があります。
by k-saru-net
| 2010-11-03 06:20
| サル追いノート
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広く豊かな自然がありながら、市街地や農地を荒し回る軽井沢のニホンザル。人間とサルの望ましい関係を、観察と対策の実践の中から模索する人々のネットワークをめざしています。 by k-saru-net カテゴリ
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