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2006年 01月 02日
サル追いノート 2006年、最初の報告です  2006.1.1. T.M.
軽井沢のサルの群れは、新幹線の駅から600m、国道わきの大型スーパー、ホテル、
大型書店、スポーツクラブ、小学校が点在する住宅地で新年を迎えました。野生動物
でも飼育動物でもない、第三のカテゴリーが必要になりそうです。カラス、野良猫や
野良犬、東京や神奈川のインコやリス、それに軽井沢のサル。・・・・・・人間の側
の対応の仕方に問題があるのでしょう。軽井沢のサルも「食」の面から見ると9割方
「野生」なのですが・・・・・・・・

飼育されていた大型ほ乳類が野生化する例は、犬・ネコ・山羊など日本でもいろいろ
ありますが、餌付けされた場合をのぞいて野生の大型獣が人里に住み着く例は少ない
ようです。もっとも、江戸時代まではそれほど珍しい事でもなかったようですし、東
南アジアやアフリカでは今でも普通に見られる所もあるようです。人間とサルの濃厚
な接触を通して、サルの感染症が人間に伝染することもあり、世界規模の問題に発展
することもあります。

日本列島は氷河期の終了後、飛べない動物にとっては「鎖国」状態にあって、野生動
物からの感染症や寄生虫は主として昆虫や水生動物が媒介するものでしたが、地方に
よっては昔からノウサギを食べてはいけないとか、近年はシカを生で食べないように
と言われているようです。動植物や飼料などが海外から入ってくるようになって、思
わぬ感染症や寄生虫が持ち込まれることがあります。輸入されたサルが野生化したり、
ニホンザルと交雑する事が見られる現在、日常生活空間での安易な接触は避けた方が
いいのではないでしょうか。

生で食べる野菜の畑をサルが荒らし回ったり、サルが囓った干し柿や大根が処分され
ずにいつまでもぶら下がっていたり、干してある布団や洗濯物にサルがのったり、子
供が遊ぶブランコやジャングルジムでサルが遊んでいたり・・・・という状態はあま
りにも無防備と言わざるを得ません。リスならいいのか?と言われると何とも答えに
くいのですが、サルと人間が近縁の生物である事はこの問題ではやはりマイナスの要
素と考えるべきでしょう。この一年、サルの群れの行動力や被害を見ていると、やは
り人間とサルの生活空間は一定の距離をおくべきではないかと感じます。

11月4日に発信器を装着された「マロン」の電波が、12月21日の夕方から受信さ
れなくなりました。町内あちらこちらを探しましたが、監視隊に聞いたところ、群れ
が移動しているのに電波の発信地が動かないのでおかしいと思い探したら、ベルトを
ちぎられた発信器を見つけたそうです。ベルトには血がついていて、他のサルに食い
ちぎられたようだとのことです。前足に裂傷を負ったオス、後ろ足の具合が悪いメス
も見られ、クリが豊富だった去年の今頃に較べると、群れの様子がざわついているよ
うに思えます。

12月30日には、回収された発信器が新たにとりつけられ、新マロンが誕生しました。  
ちょっとトッポイ感じの中型のメスです。発信器のベルトを自
分で回して、アンテナを前にもってきて囓っていました。

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               < 新マロン >
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       < 新マロンとアンテナ 〜ぐるっと回して齧ってます〜 >

三笠パークで1頭がチョウセンゴミシの実を食べていましたが、今年はあまりなって
いません。寒さでしなびた実を房ごと採って、種は出していました。地面に落ちてい
るミズキの実を良く食べています。パリポリと離れた場所でも聞こえるほど大きな音
を立てて種をかんでいます。糞を見るとイチイと思われる丸い種がたくさんはいって
います。イチイの種には毒があると言われているので、噛みつぶさずに丸飲みするの
でしょう。この3種は同じぐらいの大きさの実ですが、「種を出す」「種をかみ砕く」
「種ごと丸飲み」の食べ分けをしています。
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               < ゴミシを食べる >

この秋、ホウノキの実が豊作で、今でも拾って食べています。草の穂を手に持って、
口でしごいて種を食べるのも見られます。夕方かなり暗くなるまで、忙しく手を動か
しているメスの集団を見かけます。

前回の報告以降の「サル追い日誌」を掲載します。 ( )内の位置情報は野生動物
監視隊の報告によるものです。
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12月15日 朝 千ヶ滝西区あやめが原周辺。外周線の下。

12月16日 朝 中軽井沢、中央公民館の北と西を東方向へ移動中。
      夕 離山集落東。爆竹で追い払い。

12月17日 朝 軽井沢警察東側。陸橋に上がっていた集団を追い払う。爆竹。北東へ
      夕 (一本松南400m)

12月18日 朝 旧軽ロータリー南側でハナコとマロンの信号音。目視出来ず。
      夕 (旧軽児童館南西400m)

12月19日 朝 新軽井沢 東雲交差点東側。一部は交差点の南で西に移動。
      夕 (旧軽児童館南200m)監視隊の話では昼間住居侵入、柿を食べた。

12月20日 朝 旧軽井沢 釜の沢、太陽の森別荘地の斜面でホウノキの実を食べる。
      夕 (一本松南200m)

12月21日 朝 旧軽銀座北端を東・大塚山方向へ移動中。両信号音受信。
      夕 旧軽ロータリー付近でハナコの信号音のみ受信。

12月22日 朝 旧軽ロータリー西側から西南に移動。ミズキの実をパリポリ食べる。
      夕 (東部小西200m)

12月23日 朝 軽高から離山集落へ。離山線の両側。ハナコの信号音のみ。
      夕 中軽井沢 石山の西、三井の森境界線道路の下。ハナコのみ。

12月24日 朝 第一法規寮から石山斜面中腹に散開。ハナコの信号音のみ 
      夕 中央公民館北東200mでハナコの信号音最大。マロンなし。

12月25日 朝 長倉公園周辺。湯川橋北側で追い払い。公民館西側へ。住民5人。ミカ
ンを食べる。爆竹、ロケット花火使用。ハナコの信号音のみ。
      夕 (軽高北50m)

12月26日 朝 軽高北側。マロンを探しに、旧軽・新軽・線路南へ。
      夕 翌朝、東部小北のアロークラブ北側にモミの枝が多数落ちていた。

12月27日 朝 東部小北。アロークラブから雲場池南端にかけて散開。
      夕 鹿島の森ホテル北。監視隊当番からマロンの発信器回収の話を聞く。

12月28日 朝 三笠パーク15番の南200m。チョウセンゴミシの実を食べる。
      夕 (旧軽児童館西300m)

12月29日 朝 旧軽ロータリー、静山荘、教会南。リンゴ、干し柿を食べる。監視隊1 名
と追い払い。
      夕 (旧軽児童館西500m)

12月30日 朝 旧軽郵便局裏、児童館、テニスコート周辺。
      夕 万平通り森裏橋南。暗い中で活動中の数頭目視。

12月31日 朝 万平通り音羽の森ホテル周辺。ハナコと他1頭がミカンを食べる。他は
地上で採食。西へ移動。
      夕 東部小南東200m。暗い中、樹上で数頭活動。威嚇攻撃。爆竹1発。

1月1日  朝 東部小南から西の住宅街、警察北側。ニコスクラブ内の集団に爆竹とロケ
ット花火。
     午前 軽高東側。メス1頭右後ろ足の具合が悪い。新マロン撮影。北へ。
     午後 泉の里。離山集落で追い払い。爆竹2発。
      夕  泉の里 軽高北300m。ホウノキの実、草の種を食べる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上・・・・・・・・・・・・・・・・・

by k-saru-net | 2006-01-02 20:29 | サル追いノート


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