2006年 04月 11日
4月11日の朝日新聞に、前日の南ヶ丘からの群れの追い払いについて報道されましたが、詳しい報告と、私の記憶違いによる誤記の訂正を書き送ります。記事中に、サルが線路南に「今年に入ってから、群れごと入ったのは初めて・・・」とコメントしましたが、1月12日以来で2度目でした。 今年に入ってからの線路南への侵入は、本格的なものは4〜5回ですが、数頭程度の小規模なものを含めると10回になります。1月12日は群れ全体が警察署西の歩道橋南の日大寮周辺に侵入し、ほぼ300mの範囲に散開しているのを、今回と同様のやり方で北側へ追い返しました。今回に較べると、群れの広がりは小さく、日大寮周辺は川が無い平坦な地形で、道路のつながりも良く、追い返しやすい場所でした。3月21日には、約50頭が警察署西の歩道橋から侵入し、一部は800mほど進んで地図上のD点とB点中間まで達しましたが、マロン含むグループは警察署東の陸橋周辺に残っていました。今年に入っての侵入は、いずれの場合も一人で北側への追い戻しに成功しています。 [ 4月10日の侵入と追い返しの経過 ] 朝6:35に国道18号を西から東へ群れの信号音を聞きながら車で走り、軽井沢高校東端で北へ左折、さらに離山線の角を左折し西へ。国道より離山線では信号音が弱まり、群れの位置はさらに南と判断し、C点北西200mで線路をくぐり南へまわりました。その時点ではC点にはサルはおらず、D点の歩道橋南端に数頭を発見。すぐに北へ追い返しましたが、信号音は付近で強く、線路沿いの道を東へ探し、6:45南のA点にまわったところで、子連れを含む10数頭を発見。D点方向へ追うが、その集団は西のB点へ移動する。B点には既に20頭ほどの集団が数軒の人家の周囲と大きな保養施設敷地に群がっていました。B点で北東の歩道橋方向へ追うが、一部は反対に川を渡って西へC点南の林へ逃げ込みました。 C点にまわと、線路の南の畑に20頭ほどの集団が地上で採食中。車を置いて、7時すぎにその集団の西側を追いながら南下。川を渡り、集団の南西に回り込み、集団をB点からさらに北東へ追う。D点の歩道橋南端に近づくにつれ、群れは散開するが、中心にいた子連れの集団をD点に追い、歩道橋を北へ渡らせる。20〜30頭の集団で、中には恐れの声と思われる鳴き声をあげるものもいる。さらにB点とD点の間に散らばる集団を再び南側から歩道橋へ追い上げ、北へ戻す。A点にも子連れの10数頭の集団がいて、北へ追うと順調に歩道橋を戻る。 この時点で、群れの大半は北へ戻ったと思われましたが、まだD点の周囲にぶらぶらしているものがいて、ぐるぐる回りながら追い戻す。最後に歩道橋南端の階段上部で、フェンスにのっていた大きなオスが、北へ戻ろうとする他の小振りのオス達を威嚇しているのを見つける。近づくとフェンスから身をのりだして向かってきたので、こちらも殴りかかる構えで向かっていく。目を睨み付けて向かっていくと、1m程の距離から南へ逃げ去る。この個体は北へ戻ったかどうか確認出来ませんでした。群れの他のオスに突っかかっていたところを見ると、群れに入り込めていない「群れに追随する群れ外オス」と思われます。 車に戻り、線路沿い、A点・B点周囲など、見える範囲にサルがいないことを確認し、8時過ぎ、線路の北側へ行く。歩道橋北端周囲にはすでにサルの姿はなく、軽井沢高校東を廻り離山線に出る。高校の西、大きなマンションの北側に達すると、道路上に、車にはねられたと思われる小猿を見つける。はねられた直後らしく、道路では出血は少なく、歩道へ移動した後、出血が続く。昨年春に生まれたメスと思われる。栄養状態は悪くなく、頭部の打撲が死因のようでした。近くにいた記者が気づかなかったところを見ると、ブレーキ音はなかったらしい。この直後に監視隊1名が現場に到着。道路南のホテル屋上に母ザルと他に数頭が見守っていましたが、子ザルを取り戻しには来られず、死体を回収し役場に運びました。 今回の追い返しでは、7時過ぎから取材の記者が同行した以外は、一人で実行。7時前に爆竹を2発使い、後は犬の吠え声をまねながら徒歩で追いました。パチンコはフェンスで入れない別荘の庭に数発、ロケット花火はD点付近で歩道橋へ追い上げるのに数発使用しました。私はBB弾銃を使いませんが、このような状況ではBB弾銃を使うと群れが散りすぎるように思われます。こちらの意志が伝わるように声を出しながら徒歩あるいは走って追う方がコントロールできるようです。 線路南には小規模の畑が数カ所あり、去年の経験ではトウモロコシの季節に歩道橋を渡らずに直接新幹線のフェンスを乗り越えて侵入したこともあります。今回はドングリを狙っていましたが、今のうちに南側への侵入を徹底的に阻止する態勢を作っておくことが必要です。今年に入って、少数が南側に泊まった可能性もあります。追い払いをすると、逃げながら大きな糞をしていく事が多いのですが、泊まっていた木の下には500円玉ぐらいの小さな糞がたくさん落ちています。歩道橋南端側のモミの木の下に小さな糞が多数落ちていたことがあります。発信器をつけていないサルは、夕方居所を確認しにくいのですが、群れが夕方、警察署から離山地区にかけての一帯にいるときは要注意です。 南側に一部が泊まって定着すれば群れの分裂につながりかねず、また南側への侵入は早朝に多く、入ってすぐなら追い返しも楽ですので、監視態勢の時間を長くする事を考えるべきです。日が短い冬の3ヶ月ほどを除き、監視隊1名は夜明けから、1名は日没までの2部制当番態勢した方がよさそうです。また、排除すべきエリアに入っていたり、近づいているときの追い払い動員態勢を、地域住民やボランティアを含めて用意する事が必要でしょう。
by k-saru-net
| 2006-04-11 19:10
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広く豊かな自然がありながら、市街地や農地を荒し回る軽井沢のニホンザル。人間とサルの望ましい関係を、観察と対策の実践の中から模索する人々のネットワークをめざしています。 by k-saru-net カテゴリ
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