2005年 05月 16日
「共棲」「共生」という言葉ですが、広い意味では「共に同じ所で生活すること」(大辞泉)ということです。やはり別々の場所で生活する「棲み分け」とは反対の意 味に使うべきではないでしょうか。「同じ軽井沢」と言われますが、軽井沢という行政上の区分けは野生生物の生態にとって何も意味がないのだから、人間とサルが生活べきでしょうし、その点は3月27日にお話したとおりで、私が「共生」ではなく「共棲」の字を使うのも、その点を明確にしたいからです。「共生」という言葉も安易に気分的な使われ方をされやすいのですが、皆様も中学か高校の生物で教わったとおり、本来は2種の生物がもっと密着した形で生活している中で利益を得ている様をさします。例えば、アリとアリマキや、イソギンチャクとクマノミ、イソギンチャクを背負ったヤドカリの関係のようなものをさします。「外部寄生」よりはちょっと離れた、お互いに行動の自由がある間柄、といったところです。片利共生・相利共生いずれにしろ、利益が絡む一種の社会的関係といえます。利害が反する人間とサルの間で、共生関係というのはなかなか難しいでしょうし、その関係を持続的に維持しようとすれば、前に書いたようにかなりのコストと個体数調整が必要になるでしょう。
by k-saru-net
| 2005-05-16 21:19
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広く豊かな自然がありながら、市街地や農地を荒し回る軽井沢のニホンザル。人間とサルの望ましい関係を、観察と対策の実践の中から模索する人々のネットワークをめざしています。 by k-saru-net カテゴリ
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