カテゴリ:調査( 3 )

2005年 07月 14日
2005.6/30調査ルート 報告   T.M.
軽井沢町の北辺、群馬県境の国境平から、長倉山国有林を5名で歩いて、小瀬温泉までの林道両側の植生を、森林管理署の事業図と較べながら、現状を簡単に記録しました。
群馬県境は、西側が浅間山で、砂礫地などの火山地形が広がり、その東は牧場の草原、さらにゴルフ場・スキー場と連なっていて、サルが他町村に拡散しにくい状況と考えられます。小浅間山から東へスキー場まで延びる道路は、さらに北への移動を阻止する自然の防衛ラインになっています。
軽井沢町の東の境と、この北の境は太平洋側(利根川水系)と日本海側(信濃川水系)の分水嶺になっていて、尾根筋の下からはいくつもの沢が湯川(千曲川〜信濃川)に向かって流れています。
以下、森林管理署の事業図にある植栽記録と現状の比較を、歩いた順に図表します。
   (表中の、樹高・DBH は目視による大まかな数値で、計測値ではありません)
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* 40年生を越えるカラマツ林は、比較的健康な生育状況ですが、それより若いカラマ
 ツ林では、間伐不足で密度が高すぎるものが多い。特に20年ほど前の台風で倒れた
 後に植えられた若い林は、生育不良のものが多く見られる。
* アカマツ林は、人工・天然共にアカマツの占める割合が2〜3割程度で、広葉樹林と
 考えた方がよい。野生動物のエサも豊富であろう。
* 沢沿いには、ハルニレやクリの高木が多く、ミズキもエサになりうる量がある。
* 南北に走る送電線ぞいに伐開地が続いていて、周囲にはサクラ・ハシバミ・ホオノ
 キなど。
* 南に下るにつれ、ヤマボオシ・クワ・サルナシ・ニセアカシアなどが見られる。
* 長日向集落には菜園があり、サルの遊動域になる場合は、防護柵などの対策を講じる
 必要がある。
* 沢が多く、大面積のカラマツ一斉林は少ない。全体に、広葉樹の割合は3〜4割程度
 と見られる。
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by k-saru-net | 2005-07-14 21:06 | 調査
2005年 07月 10日
2005.4/10調査ルート 報告   T.M.
まだ春の芽吹きが始まる前で、残雪もあり、樹種や下層植生の調査には不向きな時期でしたが、一方では地上に落ちているクリやドングリから、冬季のエサの存在を見ることが出来ました。以下、森林管理署の事業図にある植栽記録と現状の比較を、歩いた順に図表します。
   (表中の、樹高・DBH は目視による大まかな数値で、計測値ではありません)
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* このルートで目立ったことは、アカマツ林と記載されている林は、天然林はもちろ
 ん、人工林でもアカマツの割合は4割をこえず、広葉樹がかなり混ざった状態である 
 こと。
* カラマツの人工林でも、間伐の入っていない過密な一斉林の割合は少なく、混交林化
 していたり、道沿いには広葉樹がはいっていること。
* 沢沿いは一定の幅でハルニレ・クリなどの広葉樹が発達していること
* サクラ・クリ・ホオ・ハルニレ・ミズキ等、サルのエサになる木がかなりあり、特に
 クリとミズキは長期にわたって利用されるだろう。春に利用するニセアカシアやクワ
 は、芽吹く前で、確認できなかった。
*芽吹く前だったせいもあるが、スギ・ヒノキの人工林に較べると林内はかなり明るい
 ことが予想される。営業していない野営場や水遊び場などの施設もあり、道路が多く
 全体に鬱そうとした密林状態ではない。
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by k-saru-net | 2005-07-10 21:58 | 調査
2005年 07月 10日
国有林(長倉山国有林)の植生調査    報告 T.M.  
軽井沢のニホンザル1群を、市街地・別荘地を含む現在の遊動域から追い上げ、軽井沢東北部の国有林への棲み分けの可能性を検討するために、国有林のいくつかの林道を歩きながら、植生調査を始めました。国有林がサルの棲息に適しているか、どれぐらいの個体数が棲息可能か、どのような遊動域の変化を促しながら追い上げていくべきか、あるいは国有林の現状をどのように変えていけば棲息が可能になるか、などを考える上で、国有林の植生の現状を把握しておく事は不可欠です。
町役場に「サルと人間の棲み分け」を話すたびに、きまって「国有林はカラマツの一斉林ばかりで、サルの餌がないからサルは山に行かない」という答えが返ってきます。しかし、以前から国有林内をとおるたびに、四季折々さまざまに美しい沢筋の広葉樹の森を見てまいりました。たしかに、手入れのされていない過密なカラマツ林も見かけますが、一方では間伐のすすんだ太いカラマツの林に広葉樹が混ざり、豊かな植生を作っている所も見かけます。陽当たりの良いアカマツの混交林もありますし、広葉樹の天然林・二次林もあります。
国有林内のいくつかの林道をたどりながら、森林管理署の事業図にある植栽記録と林の現状を見比べて、サルの棲息につながる広葉樹のどんな種がどれぐらいあるのか、大雑把ではありますが、調査を始めました。なかなか時間がとれず、不十分な調査ですが、順次ルートごとに報告していきたいと思います。
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軽井沢町の北半分の地図上に、現在までの調査ルート(青い線)と、 現在のサルの遊動域(ピンク)を示しました。
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by k-saru-net | 2005-07-10 21:54 | 調査