カテゴリ:サル追いノート( 78 )

2010年 11月 08日
ヤマガシュウ、ムラサキシキブ  11月8日 2010年
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 蕨尾の尾根で11月6日朝、ツツジなどの低木の薮に、ヤマガシュウとムラサキシキブが混在し、実をつけていました。数匹のサルがのぼって実を食べています。このサルは、ヤマガシュウの方がお目当てのようです。ムラサキシキブにもアカンボウを連れたハハザルが数頭、とりついていました。

e0005362_544699.jpgシオデかとも思いましたが、トゲの様子や茎が木質という点から、ヤマガシュウのようです。以前にも千ヶ滝西区でこの実を食べるサルを見ました。黒い実はかすかに甘いのですが、青臭さが強くけっして美味しいものではありません。中の種も大きく、硬く、容易には割れませんでした。
下の写真は、おなじみのムラサキシキブですが、緑の葉はヤマガシュウのものです。マイナス2〜3度の朝が続いて、ムラサキシキブの実は甘くなっています。焼酎につけると、琥珀色の果実酒ができます。

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 このところクマの報道では、夏の暑さのために山の実りが不作と言われています。夏暑いと実らないのかどうか、よくわかりません。軽井沢で見る限り、種類によるばらつき、場所によるばらつきが大きいように感じますが、総体的にはどうなのか断定できません。この秋とくに餌が足りないのかどうかは、動物によって食べるものが違ったり、その餌に対する依存度の差があるでしょうから、一概に言えるものとも思われません。
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by k-saru-net | 2010-11-08 06:04 | サル追いノート
2010年 11月 03日
ヤマブドウ・・・秋の実り 11月2日 2010年
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 タイトルの日付は写真の撮影日です。前々日の10月31日早朝、サルの群れの中の数匹がこのヤマブドウに群がっていました。食べ尽くすわけではなく、つるにも地上にもたくさん残っていました。

 クリの実が木から落ちて、群れのサルが地上でクリ拾いに明け暮れるようになっても、一部のサルが高い梢で餌探しをする姿も見られます。多くの場合、ヤマブドウがお目当てのようです。この季節に樹上で食べるサルナシとホウの木の実は、私が見た範囲では不作です。今年クマの出没にともない、秋の山の実りは不作と報道されていますが、軽井沢で見る限り、一概に不作とは言えないと思います。コナラ・ミズナラは全体的には不作ですが、場所によってはかなり見つかります。クリは平年作。熟す時期がだらだらと長かった(木や場所によるばらつきが大きかった)ように感じます。春に花の多かったヤマボウシは不作で、早い時期に食べ尽くしてしまったようです。これから餌になるイチイは不作、ムラサキシキブは実が色づいています。ミズキは場所によるばらつきが大きく、ミツバウツギは平年並みでしょう。

 山の餌が不足かどうかは、それぞれの動物によって異なるでしょう。それも、過去数年のその動物の増減によっても、必要量は違ってくるでしょうし、秋に特定の餌にどれだけ依存しているか、多様な餌に対するフレクシビリティーは動物によって異なるでしょう。ニホンザルの群れは、同じ地方でも群れごとに、食べるものに少しずつ違いがあるようです。餌の不足が新しい「食文化」を導く可能性もあります。動物にとって、ある程度の不足は弱い個体の淘汰を通じて、種としての健全性を維持するという面もあるでしょう。

 以前、人が置いたと思われるドングリや栽培クリが、別荘地内で大量に見つかった事があります。また冬を前にして別荘を閉める時に、残った米をばらまいて帰る人もいます。この秋、組織的に全国広範囲でドングリのばらまきが行われている可能性があります。その問題点については、多くの研究者や現場から指摘されていますが、ここでも最近読んだ研究報告を一つ紹介します。

 軽井沢のニホンザルについては、その遊動域の山はほとんどが別荘地になっています。自然林か人工林か、奥山か里山か、という見方とはまた違う側面があります。
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by k-saru-net | 2010-11-03 06:20 | サル追いノート
2010年 09月 16日
美味しいクリの食べ方  2010年9月16日
 今年の夏後半は暑く、日照時間も多かったせいか、クリの実がかなり大きくなっています。実の数は場所や木によってばらつきが大きく、たわわに実っているところもあれば、ほとんど実がついていないところもあります。9月の初旬から、サルはまだ熟さないクリの実を食べ始め、今は群れ全体が実の多いところに集中している光景がよく見られます。
 試しにサルが残して行ったクリを食べてみました。手でイガを開くのは無理で、足でつぶして実を取り出します。まだ、鬼皮は白く、渋皮も白く中の実に密着しているので、そのまま齧ってみましたが、とんでもなく渋いので吐き出さざるを得ませんでした。この時期、畑のトウモロコシやカボチャを食べるサルが、こんなに渋いものを喜んで食べるとは思えませんので、「サル風美味しいクリの食べ方」を観察してみました。

e0005362_5251878.jpg まだ未熟な時期ですので、木の下で待っていてもクリは落ちてきません。木に登って、中身が詰まっていそうな実を選んで、くわえて下ります。中には無精なサルもいて、木の上で食べようとしますが、イガから実を取り出すのに苦労して、ボタボタとイガを落とすことになります。下でそれを待っている要領のいいサルもいます。



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むしろ、下にいる方が多いので、木の上のサルは下で待っているサル達のために実を落としてあげていると解釈したくなるところですが、たぶんそのような利他的行動ではないでしょう。猿蟹合戦ほど意地悪でもないでしょうが・・・。




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 まだ固く閉じているイガから実を取り出すのは容易ではありません。地面に置いたまま、口で一部をこじ開けるようです。そこに指をかけて、イガを開きます。未熟な緑のイガでも結構痛いものです。





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イガから取り出した実は、素早く鬼皮から取り出し、その後しばらく口に持っていったりながめ直したりを繰り返します。どうやら、表面の薄い渋皮を歯でしごきとっているようです。足下には剥かれた渋皮の断片が落ちています。それだけの手間ひまをかけて、やっと至福の時が訪れます。


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 ゆっくりと時間をかけた朝食が終わり、サルが去り、残された宴の跡です。鬼皮は剥くというより、下部の柔らかい部分から取り出しています。白い断片がいくつも落ちているのが、最後の難関である渋皮です。
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by k-saru-net | 2010-09-16 08:30 | サル追いノート
2010年 09月 07日
東部小学校の畑に被害  9月6日 2010年
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 9月6日の朝、5時半すぎに東部小学校北西の十字路に到着した時には、北側から多くのサルが校内に侵入していく姿が見られ、すでに群れの半数以上が校舎南にある児童の畑に群がっていました。東部小は町内の3小学校の中では一番市街地・商業地の発達した地域にありますが、他の2校はサルの遊動域から数百m はずれているのに対して、東部小だけが遊動域内、しかも頻繁に利用する移動経路に接しています。児童が作る菜園や水田が毎年食害に遭うため、学校では数年前に写真のようなしっかりしたフェンスを3基設置しました。一昨年はフェンスの下、地面との間に隙間があり、サルに潜り込まれ被害が出ましたが、その後改善されています。

 写真のフェンスは校舎の間にあり、他の2基は校舎の南にあります。群れを北に追うため、南の2基に群がっている集団から追い払いを始めました。一人では追いきれないと思い、早朝でしたがロケット花火と爆竹を数発。音を聞いて、西側の住宅地からBB弾銃を持って住民が一人駆けつけてきました。2基のフェンスは中に入られていなかったようでしたが、キュウリのつるはフェンスから外にのびていて、ミニトマトとナスも外から取れるe0005362_5545959.jpg状態になってました。南側は比較的簡単に追い払えたのですが、校舎の間にある写真のフェンスは中に入られ、トウモロコシがかなり取られました。その原因を考えると、南側から追い始めたため侵入から追い払いまで時間があったこと、フェンスの外側に実の入ったエダマメやヒマe0005362_7595732.jpgワリなどのサルが好きなものがあったこと、トウモロコシに対する執着の強さ、ネットの隅がきちんととめられていなかった事、などがあげられそうです。ヒマワリは校内のあちらこちらにあり種を食べられています。種を利用するのでなければ、咲き終わった花は摘んでしまった方が良さそうです。

 群れを北に追い出す際、校舎の北側にある児童の水田も少し被害に遭いました。一部にネットが張られていないところがあり、穂から実をしごいて食べて行きました。水があればサルは畦から手の届く範囲しか食べませんが、道をはさんで水田の向かいにある空き地はイノシシが頻繁に利用しているので、イノシシに入られると稲が全滅する可能性もあります。

 さて、厳しい事ばかり書きましたが、群れを校内から追い出した後、出勤してきた先生に簡単に報告しようと声をかけましたら、教頭先生が朝の忙しい中、一緒に被害を見て回ってくださいました。被害を一つ一つ確認し、原因を検証してまわりましたが、これならきっと今回の経験を活かした新しい工夫を期待できものでした。サル対策には「これさえやれば万全」という特効薬はなく、知恵較べを繰り返すうちに次第にサルが来なくなるというものですから、失敗を検証する作業は大切です。児童に対してもきっといい影響があるのでしょう。校区内にある離山地区は被害の多いところですが、下校時間の後で群れが侵入すると小中学生が何人も出てきて、追い払いに参加します。
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by k-saru-net | 2010-09-07 08:30 | サル追いノート
2010年 08月 15日
トウモロコシ被害が始まる  8月14日 2010年
e0005362_2056389.jpg 前夜の泊り場から300m ほど離れた規模の大きい家庭菜園群(一部は出荷しているかもしれません)が、早朝サルの群れ全体に入られ、ざっと見ただけでもトウモロコシ約100本の他、エダマメ、カボチャ、キュウリ、ナス、ズッキーニなどが被害にあいました。5時50分すぎに現場についた時は、ほとんどのサルが満腹状態だったのか、追い払いを始めたとたんにさほどの未練を見せず、新幹線の塀を越えて北へ逃げました。逆算すると、群れは5時30分よりも前に行動を開始したものと思われます。

 このケースに見られる被害対策の問題点を検証してみたいと思います。

 私自身について考えるなら、朝は4時前に起きていますが、この日は曇天でサルの行動開始がこれほど早くはないと思い、出発は5時半頃。それでも、いつもよりは2~30分早めに出ました。昨夜の泊り場付近にいないことを確認し、さらに国道と線路北側の家庭菜園にサルがいないことを確認してから、線路の南側に行きました。そのロスタイムが15分ぐらいあったでしょうか。まっすぐ被害現場に行っていれば、被害はもっと少なかったでしょう。

 被害にあった菜園のうち一番大きい畑は電気柵で囲われていたにもかかわらず、なぜサルに入られたのか。写真でも判るとおり、電気柵は25cm ほどの間隔で単線が5本張られたものです。一番下のプラスチック碍子がねじ曲げられているのが見えます。下から2本目の電線もたるんで間隔が広げられています。回りには登って上から飛び込めるような木や家はなく、電気柵の下方から押し入ったと思われます。

 電気柵の内部ギリギリまで作物があるため、葉が接触して放電していた可能性があります。草も生えていて、一番下の線は特に効果がなかったのかもしれません。この場所はイノシシやタヌキの被害もあるかも知れませんが、毎年サルに入られて大きな被害を出しているにも関わらず、ネット式の電気柵ではなく間隔の広い単線の電気柵を設置した事自体が間違いではないでしょうか。手足や顔などの無毛の部分が触れない限り効果の薄いものですから、このタイプを設置した業者が被害の実態を知らなかった可能性があります。菜園所有者にとっても、補助金を出す役場にとっても無駄な出費です。この地区では、以前にも電気柵を設置しながら、周囲の家や木から飛び込まれて被害が止められず、電気柵なんて無駄だという意識が住民にあります。適切な指導をしないで金をかければ、かえって対策の進展を阻害しかねません。

 クワの実が終わり、10日間ほどクマヤナギなどを食べた後、毎年8月中旬からトウモロコシなどの農業被害が発生しています。この畑も同じ時期に毎年被害にあっています。前日の泊り場の位置から、翌日の被害は予想できたと思います。しかし、地域住民や町内会・隣組などに対する積極的な情報提供はなかったと思われます。役場の対策員が到着したのは7時少し前で、通常2人体制ですがこの日は1人。その時間にはすでに、満腹のサル達は線路と国道をはさんで向かい側のマンションの屋根で食後の休憩状態でした。状況に応じて柔軟な行動ができる体制でなければ、野生動物に対応できないでしょう。パターン化された追い払い体制をサルは学習して、隙をつく行動をしてきます。

 以上、今回の被害に見られる問題点を簡単にあげましたが、一番の問題は「問題点を検証する」姿勢も場もないことでしょう。被害住民と対策側が話し合う事もないため、それぞれがその場しのぎの行動で、手間も費用も効率の悪い使われ方になっています。効果の低い対策は無力感やあきらめにつながっていきます。

 なお、写真の右端の花豆の葉に、昨年同様の病変が見られます。他地域でも同様の病変が出ています。地域によっては、昨年収穫がなかった所もありました。
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by k-saru-net | 2010-08-15 22:06 | サル追いノート
2010年 08月 07日
夏の皮はぎ・・・クマと遭遇  8月5日 2010年
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 クワの実がほとんど終っても、サルの動きにはまだ「未練」が残っているように感じられます。まだわずかに実が残っているのかもしれませんが、クワの木に取り付いていることが多く見られます。先週までとは違い、めったに使わない移動ルートをたどることが目立ちます。今年はクマヤナギの実が少ないせいかもしれません。昨年8月初旬はクマヤナギの実を中心に、ウド、シシウド、ツノハシバミなどに手を出していて、トウモロコシなどの畑の被害が本格化するのは、8月中頃からでした。現在は、ミヤマザクラの実に群がって追っても戻るような執着を見せる以外は、なにを食べているのかよくわからない事が多い状態です。ミヤマザクラの実は、中の種まで食べるらしく、離れていても種を噛み砕く音が聞こえます。オニグルミの若い実も食べますが、強い執着を示すほどではありません。そろそろ緑の皮の中の殻が堅くなってきて、若いサルでは噛み割れなくなります。

 軽井沢中央部の渓流を、群れがいつもより北の方で渡り、林道沿いの斜面で樹上に泊りました。周囲は国有林で目立った被害が出ない場所なので、早朝ゆっくり観察していましが、冬場によくある樹皮を剥ぐ行動が見られました。何本かの木の枝が地上4~5m のところで樹皮を剥がされ、垂れ下がっています。一本はクワの木のようでしたが、他は樹種がわかりませんでした。泊り場に1時間以上とどまっていました。
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 役場のサル追い隊2名がやってきて観察の加わってほどなく、前方(北)20m あまりをツキノワグマが林道を横切りました。西側の渓畔林から東の斜面へ、早歩きの速度で、こちらを振り向く事もなく、静かな移動でした。単独で、大きさは中ぐらい?の成獣。道を横切る時の印象は、スラッと細身で毛並みはきれいでした。右の写真は林道ののり面に残る足跡です。

 そのまま斜面を上って東に行くと思われたので、3人でクマが渡ったところへ林道を進みましたが、林道ののり面の上をクマは南へ進み、最接近した所は10m 以内だったと思われます。東西に並んだところで、クマは東へ斜面を上がって去りました。日頃、クマにであったら静かに後ずさりするようと人には言っていながら、何とも無謀な対応だったと反省しています。

 サル追いをしているとクマと接近する事はよくあります。こちらが騒々しく群れを追い立てているため、クマの方が気づいて避けているというのがわかります。今回は静かに観察していたので、気づかなかったのでしょう。毛が濡れてなく、道にしずくが落ちた様子もないことから、西側の渓流を渡って来たのではなかったでしょう。クマが出てきた場所を、30分以上前から車と徒歩で何度か往復しているので、渓畔林に潜んでいたのでもなさそうです。渓流側で林道沿いを北から下ってきたら、私たち3人がいたため、山側に移ってさらに南下しようとしたという可能性が高そうです。広葉樹の発達した渓畔林と国有林が北からずっとつながっている所ですから、クマの侵入を止める事は難しいロケーションと言えます。自分の対応を含めて、いろいろ考えなければならない事が多い、クマとの遭遇でした。



 
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by k-saru-net | 2010-08-07 09:26 | サル追いノート
2010年 07月 29日
ヤマユリの食べ方  7月29日 2010年
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 数年前、ヤマユリや野生のウバユリがサルに食べられて、軽井沢では数が減ってしまいましたが、今年はかなり復活しています。春、ユリの芽が出る頃、引き抜いて根を食べます。しばらくたって、茎が20cm ぐらいにのびた頃、地際の白く柔らかい茎を食べます。そして夏、花が咲く頃・・・・庭のヤマユリが咲くのを楽しみにしている人々のボヤキ、「咲く直前に食べられてしまった」という嘆きが聞かれます。サルにとって、「ユリは3度美味しい」のです。

 さて上の写真ですが、千ヶ滝西区の別荘地で見事に咲き誇るヤマユリの花です。でも、何か物足りない感じがしませんか? 生け花でユリの花を使うとき、花粉が服につかないように雄しべの先の葯を切り取る事があります。この写真のヤマユリはまさにその状態なのです。別荘の持ち主は異常に気づかないかもしれません。花が開いてすぐにサルが葯を食べてしまったのです。ユリを折る事もなく、花を傷つけずに葯だけを食べたのです。
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 今度の写真は、花が開く直前に雄しべの葯を食べたものです。左下の蕾が、ちょうどサルが食べたばかりという状態です。蕾の上側の花びらをちぎりとって、中の葯だけたべたところです。この状態の蕾が開くと、他の3つの花のように上側の花びらが途中までしかなく、雄しべのないユリの花になります。イノシシやシカでは、たぶんこのように手の込んだ事はしないでしょう。ユリの花(キスゲの仲間?)を食べる人間もこんな事はしません。サルにとっては、花粉は貴重な高タンパク食品かもしれませんね。秋につくムカゴを食べるかどうか、確認した事はありません。もしムカゴも食べるようでしたら、「4度美味しい」ということになります。
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by k-saru-net | 2010-07-29 21:01 | サル追いノート
2010年 07月 23日
別荘の屋根でシラミ退治


 依然としてクワの実の採食を中心に回遊しています。真夏の暑い陽ざしが続いていますが、関東平野と佐久平の峠にあたる軽井沢では、上昇気流が発生しやすいようで、強い雷雨に見舞われます。なぜか、サルのいる所に限って、局地的な強い雷雨がよく起きます。この日も夜の間に雨があったらしく、上り始めた朝日で毛を乾かしながら、何組ものサルが毛づくろいに専念していました。

 毛繕いとかグルーミングと呼ばれ、寄生虫退治の他、毛並を整える、塩をとっている、親交の確認など、さまざまに解釈されてきました。1990年頃から、地獄谷野猿公苑の職員の方々と田中伊知郎氏による観察で、シラミ退治をしていることがはっきりしました。つまみ上げて口に運ぶのは、ほとんどがサルジラミの卵で、ときおり成虫も捕らえる事があり、卵のつまみ上げ方にはいく通りかのやり方があるそうです。(「知恵」はどう伝わるか :田中伊知郎著 :京都大学学術出版会)

 2頭のオトナメスは母娘か姉妹でしょうか。生後2〜3ヶ月のアカンボウも真似ているのが見られます。群れの個体識別や戸籍作りには、このような観察が必要でしょう。特に軽井沢群ではこの数年間、群れ内部のグループ化が起きていることや、市街地・人里の利用増加が見られます。適正な「保護管理」のためには、群れの状態を理解する必要があります。
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by k-saru-net | 2010-07-23 21:53 | サル追いノート
2010年 06月 23日
ニセアカシアの花と死んだコザル  6月15日 2010年
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フジの花にはこの春、あまり執着しませんでしたが、続いて咲き始めたニセアカシアの花はさかんに食べています。サクラの実が黒く熟してきていますので、両方が一緒にある旧軽井沢ロータリー周辺を回遊する事が多くなっています。特に、ロータリー北西の町営駐車場や老人ホームを泊り場にして、旧軽児童館など東側に侵入しています。旧軽井沢地区の中心部であり、5年ほど前まで被害大きかった地域ですが、その後3年ほど旧軽地区の町内会(旧軽地区野生動物対策部会)を中心に毎朝サルの追い立てが行われ、侵入することが減りました。

 旧軽中心部の被害がほとんどなくなったため、町内会による追い立てが終了した昨年から再び中心部に侵入するようになり、今年もそれが続いています。夕方や早朝の侵入が多いため、その時間帯をカバーしていない役場のサル追い隊では、侵入を阻止できてはいません。

 この季節、交通事故によるコザル・アカンボウザルの死亡が多く、2頭のハハザルが現在、死んだ子供を持って歩いているのが見られています。
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死んだ子供をかかえたまま、6m ぐらいの高い梢でニセアカシアの花を食べているハハザルです。
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この時はあまり地上に下りず、死んだコザルをかかえて電線を伝いながら、立ち止まって上を見上げています。死んだコザルを持っているハハザルの「空を見上げるポーズ」は、以前にも(ここをクリック)見た事があります。
 他の時にはあまり見られないポーズで、なんとなく途方にくれているようにも見えますが、擬人化して捉えるのは適当ではないのでしょう。
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by k-saru-net | 2010-06-23 09:09 | サル追いノート
2010年 06月 01日
今年は不人気なフジの花  2010年6月1日
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 前回はフジの花の開花を報告し、しばらくは花を食べ、役場の北西に定着するのではないかと書きましたが、どうも予想がはずれたようです。

 離山の北側から西に下った群れは、湯川東に1日と少し滞在しただけで湯川を渡り、千ヶ滝西区へ。2日あまり回遊し、北回りで東岸に戻り、2泊して今度は離山南回りで東へという、あわただしい動きを続けています。その間、フジの花も少しは食べていますが、タンポポ、ウバユリ、ヤマユリ、ホウの花芽、トチの若葉のなどが菜食の中心です。上の写真(5/23) はトチを食べているところですが、若い葉の葉柄の根元を食べています。ウバユリ、ヤマユリは茎の地際部分、タンポポは花の下の花茎を好みます。タンポポなど、人間は若い葉や花は食べられますが、サルの好みは違うようです。

 今年、フジの花が人気ない理由はわかりませんが、一時の激減から回復したユリの方が栄養があるのでしょうか。あるいは、低温続きで、フジの花の香りや蜜が少ないのかもしれません。今週末頃から、ニセアカシアが咲き始めるでしょうから、どんな反応を示すかをみたいと思います。
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by k-saru-net | 2010-06-01 12:56 | サル追いノート