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2011年 03月 21日
AMDAの募金  眠っている貯金、目を覚まして  3月21日 2011年
昨夜から雨が降っています。
19日の記事で、二つの災害支援団体を紹介しました。どちらも、現地での活動のようすをそれぞれのサイトで見る事ができますし、ラジオなどでも報道されることがあります。

海外での活動だけだと思い違いをしていたために、ご紹介が遅れましたが、医療支援を行っている専門家集団に、AMDA があります。機動力がある運動で、震災後すぐにチャーター機で東北にスタッフを送りこみ、医療活動を行っています。詳しくは、AMDA のサイトをご覧下さい。さまざまな送金方法に対応していますし、サイトの英語版もあり、海外からの送金にも良さそうです。

日本は借金大国であると同時に、貯金大国でもあります。どちらも、私にはあまり縁がありません。きわめてささやかな仕事ですが、出来るだけこの機会に必要な道具や材料を買い込んでいます。もちろん、被災地に優先的に送るべきものは買いませんが、仕事をしておかなければ直接的な支援をしたくてもできません。テレビにしがみついて同情の涙を流しているだけという余裕はなく、ラジオを聞きながらの仕事はやはりすこしペースダウンです。

日本人が、眠っているそれぞれの貯金の10分の1を動かすと、100兆円のお金が社会に出てきます。100分の1 (10兆円) を直接の支援に、90兆円を仕事の投資や生活の消費にまわすと、社会はかなり活性化するのではないでしょうか。しかも、同時に自分の生活も潤います。経済面にかぎらず、社会全体が元気でないと、長期的な支援は続かず、復興も遅れてしまいます。私の作る銅器を使って下さっている飲食店では、お客さんがさっぱり来ないので、一部の店を休業したり、従業員を待機させています。無理に外で飲み食いをと勧めるわけではありませんが、こんな時こそ家に閉じこもっていないで,街に出ませんか。
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by k-saru-net | 2011-03-21 07:56 | メッセージ
2011年 03月 19日
「ゆめ風基金」「 日本チェルノブイリ連帯基金」の震災救援募金について  3月19日 2011年
他のブログに書いた記事を転載します。

 公的機関による震災被災者支援の募金が行われています。多くの方々が、いてもたってもいられない気持ちで、募金の呼びかけに応じている事でしょう。現地に物資を送るということは、必要な物が必要なところへ素早く届くのであれば効果が即効的である反面、受け入れ側の手を煩わせる可能性や、輸送手段が限られている当座、個人で送る事は必ずしも有効でない事が考えられます。

 一方、公的な機関であれば、集まった募金の使われ方に「公平性」を求められます。そのために、被害の全容が判るまで、お金の動きが遅れるということが阪神・淡路の時に指摘されていました。これから長く続くであろう現地での生活復興に役立てたいという思いも当然ですが、命に関わる当座の危機に対しすぐに役立ててほしいという事もあるでしょう。きっと全国の様々なNPO 団体が動きだしていると思います。

 福島原発周辺で待避指示が出ている事を知らされず、なぜか周りから人がいなくなってしまったと感じていた視覚障害者がいたことが報道されていました。障害をもつ人にとって、避難生活は一層厳しい事が想像されます。阪神・淡路の経験から、被災した障害者(団体)へのすばやい支援をめざしている運動に「ゆめ風基金」があります。以前からラジオで、永六輔さんが話していましたが、日頃の活動にくわえて、この大災害に遭われた障害者に救援金を届けるための募金をつのっています。詳しくは、上の水色の字をクリックして下さい。

 もう一つ、「かまたみのるの公式ブログ」を前に紹介しましたが、その中で取り組みが刻々報告されている「日本チェルノブイリ連帯基金」という運動があります。こちらは、福島原発震災の被災者救援を目的に募金を行っています。現金の他にも、支援物資やボランティの要請もありますので、上の水色の字からホームページに入って、詳しい事をご覧下さい。

 どちらも、お金の使い道が限定されていますが、それだけに活動内容の透明性に気配りがあり、自分の出したお金がどのように生かされていくのかがわかります。

追記
 現在(19日) 8:30~13:00 TBS ラジオで放送中の 「土曜ワイド 永六輔 その新世界」によると、ゆめ風基金では、地震当日夜には出発し、翌日から現地で炊き出しや、障害者施設支援などが行われているそうです。
追記 2
 15:30すぎのNHK ラジオ第一では、大阪のスタジオからの放送の中で、福島と宮城における「ゆめ風基金」の活動が伝えられました。ヘルパーさんの多くも被災していることや、地方ではガソリン不足のためヘルパーさんが長距離の移動が出来なくなっているそうです。基金の現地ボランティアが活動していて、募金に協力してほしいということ、被災地でお困りの障害者は基金へ連絡 [ yumekaze@nifty.com ] してほしいと言っていました。
追記3
日本チェルノブイリ連帯基金と諏訪中央病院のスタッフ6名が、南相馬市で医療支援に携わっています。連帯基金の公式ブログをご覧下さい。
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by k-saru-net | 2011-03-19 09:16 | メッセージ
2011年 03月 18日
被曝する放射線量の単位シーベルトについて  3月18日 2011年
別のブログに書いた内容を転載します。


前に、放射線を一時的に外から浴びることと、放射性物質が体内に入って、内部から被曝する事の違いについて書きました。報道でしきりに登場するシーベルトという単位に対する二つの誤解が、この問題を解りにくくしているように思います。私は専門家ではありませんので、以下に書きます事が間違っていましたら、どうかどなたでもご連絡ください。

まず第一に、例えば長さの単位では m (メートル)を基準に、その1/1000(千分の一)がmm(ミリメートル)、さらにその1/1000 がμm(マイクロメートル)でこれはメートルの百万分の一にあたります。同様に、Sv(シーベルト)の1/1000がmSv(ミリシーベルト)、さらにmSv の1/1000 がμSv (マイクロシーベルト)ですから、マイクロシーベルトはシーベルトの百万分の一になります。この単位の違いに気づかないと放射線の強さを正しく評価できない事になります。

第二に、報道を注意深く聞いていますと、例えば1時間当たり5ミリシーベルトという言い方をしていることに気づくでしょう。これは、その環境に1時間いると5ミリシーベルトの放射線を浴びるということですから、12分間なら1ミリシーベルト、1日いれば120ミリシーベルトの放射線を浴びるという事になります。例えるなら、時速(1時間当たり進む距離)50kmで走れる動物でも3分でバテテしまうのなら2.5kmの距離 しか進むことができませんが、時速5km で歩く人間が5時間歩ければ10倍の25km の距離を進む事が出来るわけです。

この理解の上で、放射線が健康におよぼす被害について考えてみます。参考にWikipediaで「シーベルト」の項をひいてみます。そのページをずっと下の方に移動しますと、「人体に対する放射線の影響」という項目があります。様々な限度量がならんでいます。単位はmSv (ミリシーベルト)ですが、これはその千倍の単位Sv (シーベルト)では、数値が2以上になると人が死に始めるため、健康に及ぼす影響を考えるにはmSv を単位にとるのが適当だからです。

(妊娠可能な女性を除く)原発作業員の限度は一年間の50mSv とされています。ただし、毎年その量を浴びていると危険ということで、5年間で合計100mSv とされています。このあたりの数字は、急性の健康被害ではなく、癌の発生などの長期的な影響ということでしょう。

250mSvになると、白血球の減少という急性症状が出ます。急性症状の数字は、一年間に浴びる量ではなく、一度に浴びる量です。1000mSv になると、吐き気などの目に見える症状が出て、2000mSv では死ぬ人もいて、7000mSv ( 7Sv ) 以上ではほとんどの人が死亡するということです。

最初の例で、一時間当たり5 ミリシーベルト(5mSv/h) の環境に12分間いれば1mSv つまりWikipedia の表では一般の人が一年間に浴びてもよい放射線量に相当しますが、1日いれば120mSv になり、原発作業員が一年間に浴びる限度の2倍以上を浴びてしまいます。

どうも、報道する側でも、放射線の強さと浴びる放射線総量の関係を混同していいるような気がします。

また、現在のような危機的状況下で作業する場合は、ここに書かれた限度をある程度オーバーしても仕方ないという、別の上限(250mSv)を設定しようとしています。
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by k-saru-net | 2011-03-18 05:15 | メッセージ
2011年 03月 17日
全国の野生動物対策関係者の皆様へ  3月17日 2011年
地震・津波から一週間になろうとしています。原発事故も状況は悪化し、被災者に対する救援が充分とはいえない状態が続いています。

日頃、地元住民との接触が多く、サバイバル技術に強く、行政との連携作業を積み上げてきている野生動物対策関係者は、現地ではきっと力強く事態にあたっておられると信じています。現場から遠く離れている関係者も、何ができるのか模索していることと思います。

私も、今なにが求められていて、なにが出来るのか、答えがあるわけではありません。とりあえず、情報の収集と発信につとめようと思います。電話や携帯が充分に機能しないなかで、インターネットは一つの有力な伝達手段です。いわゆる風評・トンデモ情報を避ける科学的な検証は必要でしょうが、メーリングリストの連携やウェブサイト情報の紹介など出来ないでしょうか。

野生動物対策関係者の中には、アマチュア無線が出来る人も多いと思います。こんな事なら始めから3級免許をとっておけばと思っていますが、4級のトランシーバーでも現地からの無線を受信できる可能性があるかもしれません。その辺の事情に強い人がおられましたら、お教えください。わたしの場合、仕事をしながらでも、受信する事が出来ます。

まずは、声を上げてみませんか。そこから、ネットワークを作っていきませんか。

追記 
吉田 洋さんのサイト「クマの足跡」に近況情報が出ています。

追記2
長野県環境保全研究所では、毎日長野市での空間放射線測定結果を発表しています。
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by k-saru-net | 2011-03-17 07:42 | メッセージ
2011年 03月 14日
地震・津波被災者の低体温症について  3月14日 2011年
 今日14日は温かく、地震・津波の被害に遭われた方々の事を思うと、わずかな救いを感じました。しかし、明日から真冬並みの低温予想が出ています。

 JBN (日本クマネット)のメーリングリストで配信されたものを、信州ツキノワグマ研究会の事務局が、同会のメーリングリストで配信した情報を掲載します。内容は、被災者が苛酷な環境の中で、登山者が陥る低体温症と同じ症状が起きる可能性があり、その対策を紹介したものです。以下は、信州クマ研事務局が受け取った内容です。実際の記事(低体温症の症状と対策)はこの中のサイトに入って下さい。
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 みなさま

 緊急のお願いです。国際山岳医の大城和恵先生から避難場所で低体温症が起きている
報告が届きました。低体温症の治療法について詳しく解説されているのが下記のHPです。
是非みなさまのご協力で関係者の目に触れるようお願いしたくご協力依頼します。
許可を受けて転送いたします。NPO法人アース・ウィンド 横須賀邦子
====================================

今回の大地震、大津波、信じられない大惨事をもたらしました。

福島・宮城・岩手にいる、私たち日本登山医学会の仲間は、最前線の病院やクリ
ニックで苦闘しています。全国の会員もなにかお役に立てることを考えていま
す。もうすでに現地に出発している仲間もいます。

東北はまだ雪の季節だったことを映像から再確認しました。寒い中防寒具も乏し
く被災地に孤立している方々には「低体温症」がありえます。
「低体温症」にならないような対策、緊急措置をまとめたものを、私のHPと同時に、日本
登山医学会のHP
にアップしています。


ただ、それだけでは、被災者の目に触れるとは思えません。
ほんの小さなお願いです。
みなさんで、情報を共有できますよう、少しでも多くの方に知っていただけますよう、お
知り合いにお伝えいただけますよう、お力添えをお願い申し上げます。

ご質問やご不明の点は、私のHPへの質問、学会ブログhttp://jsmmed-tozanigaku.sblo.jp
/へのコメントという形で対応させていただきたいと存じます。

大城 和恵
日本登山医学会山岳医認定実行委員
UIAA/IKAR/ISMM認定国際山岳医
(UK Diploma in Mountain Medicine)
医学博士

sangakuinfo@sangakui.jp
http://www.sangakui.jp/
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以上です。
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by k-saru-net | 2011-03-14 22:13 | メッセージ
2011年 01月 14日
サル・ネット移転のお知らせ 2011年1月14日
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正月も過ぎてから、本格的な寒さが続いています。この日も早朝はマイナス14度。朝日にあたる前のサルの頭が、白く光っています。雪が積もっているわけではなく、寝ている間に霜が降りたということでもなさそうです。団子状態で寝ていて息があたって結氷したのか、何かに腹を立てて頭から湯気が出て凍ったのか? 寒い中、走ったり自転車に乗ったりすると、ひげがジャリジャリに凍ることがありますが、まあ、サルの場合もそんな事でしょう。

昨年は12月にはいって、さまざまなことが次々と重なって、超多忙の毎日。このサイトも更新できないまま、年が明けてしまいました。多忙の原因の一つでしたが、急に本業の仕事場を移転することになり、そこに寄生しているサル・ネットの連絡先も移りました。国道18号沿いから、浅間山に向かって2km 弱上った所です。
   新住所 389-0111 長野県 北佐久郡 軽井沢町 長倉 大日向 5692
電話、FAX、メールアドレスなどは、以前のままです。
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by k-saru-net | 2011-01-14 21:31 | メッセージ
2010年 08月 28日
食べても怒られない里の餌  8月28日 2010年

 花びらはバラより薄く、鮮やかなピンクの花を咲かせるハマナスは、自生地の他にも時々植えられているのを見かけます。親指と人差し指で輪を作ったぐらいの大きさのオレンジ色の実をつけます。生で食べるほどには美味しくありませんが、ジャムにすることはあるようです。軽井沢で、サルが毎年食べるハマナスは一ヶ所しかありませんが、生け垣に仕立てられかなりの量の実がなります。映像で見られるようにかなり執着しているところを見ると、きっとサルにとっては美味しい餌なのでしょう。d0164519_21151089.jpg

 クワの実が終って、今年はクマヤナギがあまり多くはなく、ハシバミは不作、そろそろ畑の被害が大きくなりそうな微妙な時期の8月13日、市街地に近い別荘地のハマナスの実に群がって食べていました。ヤマボウシやオオヤマザクラ、ソメイヨシノ、イチイの実のように、農作物ではないため野生動物が食べても人が怒らない餌がかなりあります。これらは人が観賞用に植えるのですが、餌としてみればかなりの量になるものばかりです。里にあるため、周囲には家庭菜園があったり、ユリやチューリップ、ブルーベリーやスグリの仲間、木いちごの仲間など、人が大切にしているものも多くあります。

 軽井沢は寒すぎるのですが、ちょっと標高の低い隣町までは柿の木がたくさんあって、今は干し柿を作る人もいないため、たくさん実った赤い実はサルを誘っています。軽井沢では畑の隅に捨てたカボチャの種からつるがしげり、勝手にたくさんの実がついています。出荷する予定ではないらしく、畑の持ち主はサルがカボチャを抱えて走っていても追い払いません。8月23日には、離山地区の国道と線路の南で、カボチャが大小20個余りとられましたが、周囲では追い払う人もいませんでした。ヒマワリの花もちぎって行きましたが、種が実るとサルを誘う餌になります。

 野生動物対策では、人里にたくさんあって、動物が食べても誰も怒らない餌の存在が、動物を里に誘導しているという事で問題になっています。井上雅央さんの本「これならできる獣害対策」にくわしく書かれています。

 各地でボランティアによる、放置された柿やゆずの収穫が始まっていますが、過疎化や老齢化で、集落の人だけでは処理できなくなっているのが現状です。わずかずつですが人口の増えてきた軽井沢でも、サルの被害のように直接身に降り掛かる災難に対し、集落の人だけでは対処できないほど、地域社会の力が弱くなっています。まして、山村のいたるところにある「限界集落」では、現金収入の少ない年寄りの糧でもあり楽しみでもある畑仕事ができなくなってきました。軽井沢でもサルの遊動域にあたる地域では、この5年ほどで家庭菜園の面積が半減していると感じています。一見、年々被害が減少しているように見えても、じつは被害に遭う畑や家庭菜園が、堪えられなくなって耕作をやめてしまっていることが多いようです。自然のなかで自然の恵みを受けてきた山間地の集落に、最後のとどめを刺すのがイノシシ、シカ、サルなどの自然の動物達ということになりそうです。
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by k-saru-net | 2010-08-28 05:25 | メッセージ
2010年 07月 04日
サル追いについて・・・自助・共助・公助
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 上の写真は2010年5月14日撮影した、レッドと呼ばれている発信器をつけたメスザルとその新生児です。

 現在、町役場では7人の職員が軽井沢群(K群)に交代ではりついています。3年前に、それまでの猟友会による監視活動から、推定3倍以上の予算をつけて、臨時職員を雇用し、サルの追い払いを始めました。それまで、早朝にボランティア(旧軽井沢地区の対策部会等)が山地に追い立てた群れは、猟友会が担当する昼間、再度市街地に侵入し被害を出すという事が続いていました。

 その時期、大量捕獲をきっかけにK群では群れの中のグループ化が進み、次第に山地への追い立てが難しくなります。グループ化については、また別に書きたいと思いますが、役場に交代した当初はかなり積極的に追い立てを行っていました。現在、被害が起きている現場からの追い払いは出来ていますが、望ましい方向への制御は出来なくなってきました。去年から、市街地内やそれに近接する別荘地を回遊することが多くなっています。遊動域は人里に集中してきています。

 サル追いについては、各地で被害が起きている現場からの「追い払い」が行われ、一部では遊動域を人里から山へ移す目的の「追い上げ」の可能性が考えられていました。被害が起きる場所から比較的起きにくい方向へ、群れを制御しながら追っていた我々ボランティアのやっていたことに対し、「追い立て」という呼び方を、長野県環境保全研究所の陸さんが提唱されました。「追い立て」を継続することで、次第に「追い上げ」につながることを期待していました。現在は遊動域として利用されていない東北部の山地(国有林)の縁(白糸ハイランドウェー)まで、当時は度々追い立てが出来ていました。3年前に較べると、現在の遊動域は縮小し、市街地と別荘地に集中しています。

 対策の目標・ビジョン、方法論、結果の検証などのないまま、多額の予算と多くの職員を使っていますが、3年前の追い立てに比較すると、現在群れの制御に関して状況は後退しています。これまでの対策と結果を、役場以外の関係者を含めて検証し、システムを変える必要があります。一年に一回、一時間半の対策協議会(野生動物全般)での検討だけでは、まったく不十分です。

 阪神大震災の後、災害対策について「自助・共助・公助」という概念が言われています。災害に際して、自分で対処できる力をつける「自助」、周囲の人たちと助け合う「共助」、行政が助ける「公助」の三本立てで対策を組み立てるということです。

 この考え方でサル対策を考えてみます。家に侵入されないように戸締まりを徹底したり、畑や家庭菜園にネットや電気柵を張るのが「自助」。イノシシやクマのような危険がないサルの「追い払い」も、お年寄りなどの困難な場合もありますが、出来るだけ「自助」するのが望ましいことです。最低限の「追い払い」は素早く自分ですることが被害を減らし、その場所がサルにとって望ましくない場所と認識させることにつながります。

 集落内外の環境整備(野生動物にとって魅力のない環境作り)は一軒だけでは効果がありません。集落から被害のでない方向への「追い立て」も、時間帯にもよりますが、集落全体で取り組む「共助」が効果的です。旧軽地区で対策部会が行った朝食前のサル追いは明らかに効果があり、継続的に行われるうちにサルの方も「追い立て」られる事が習慣化して、手際良く移動させられるようになりました。昼間でも、地域の住民が何人か追い立てに参加すれば、役場職員だけでやるより効果が上がるでしょう。

 「公助」の役割は、個体数調整や有害駆除の他、「自助」「共助」のシステムをスムーズに動かす事も重要な仕事です。電気柵に対する補助はそれにあたるでしょう。しかし現在、地域住民による「自助・共助]にとって一番必要な野生動物の情報が伝わりません。サルの位置情報は、夕方のFM 軽井沢モンキーリポートは6時前に一回だけ放送されます。役場のホームページにあるサル・クマ ナビネットは翌朝まで更新されません。「自助・共助」の出発点である情報が伝わりません。

 役場の対策予算や人員が増えるにしたがい、サルが周囲に来ても苦情を言う以外、一般の住民はほとんどが何もしないことが多くなりました。役場に任せて、旧軽のボランティアが活動をやめた昨年から、旧軽の中心部に群れが再び入るようになりました。たまに自前のBB弾銃やパチンコを持って出てくる住民もいます。現場で職員がトランシーバーやBB弾銃を貸し出せれば、共同歩調でスムーズに「追い立て」が出来るでしょう。住民が「苦情とあきらめ」から「自助・共助」に転換することで、対策は大きく進むでしょう。その前に役場の意識転換が必要です。


[ 追記 ]  7月8日
 役場では7月1日から、夕方5時のサル(K群)位置情報をメール配信を始めました。軽井沢町役場のホームページから入って、[ トップページ各種ごあんないくらし>>環境メール配信サービス>>メール配信サービスのご案内 ] で登録しますと、毎日自動的に配信されるそうです。このシステムは役に立ちそうです。
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by k-saru-net | 2010-07-04 22:45 | メッセージ
2010年 06月 26日
威嚇するオスザル 2010年6月26日
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 昨年10月23日、交尾期をむかえたニホンザルのオスが、カメラを向けた私を威嚇してきました。歯を剥き出しにして目をむいた形相はけっこう迫力がありますが、ひるまずかまえていると、こちらのコブシやケリが届く範囲のちょっと手前で引き返します。通常は群れのメスザルに認められたガードマン役のオスザルが1頭で威嚇してくる事が多いのですが、時には気の強いメスザルが威嚇することもあります。このときは、近くにいた交尾途中のメスザルも何度か一緒に威嚇してきました。サルと目を合わせずに後ずさりするようにと書かれていることがありますが、人間を威嚇しても無駄だと思い知らせるために、私はサルを睨みつけながらゆっくりと、足場の良い所では駆け足で向かっていきます。

 これまでに数十回威嚇をはね返して、一度も実際に接触することなく、ザルの方が去っていきましたが、だれにでもおすすめの方法かどうか、ちょっと自信はありません。棒切れや石を拾って身構えると、威嚇をはね返しやすい事はあります。車にはねられたコザルを拾い上げると、周囲のオスメス多数が集団で向かって取り返しにくる事もあります。コザルに人間の恐さを覚えさせようと、樹上に取り残されたコザルをいじめていると、やはり周囲のオスメスが複数で向かってきます。単純な威嚇よりも強く接近してきます。

 野生動物の行動を擬人化して理解することは避けるようにしています。まして、動物の行動を都合良く取り上げて、人間の行動を正当化するのは危険です。しかし、できるだけ冷静に観察して、威嚇・攻撃が何かの目的をもつものなのか、恐怖にかられての行動なのか、出会い頭のアクシデントなのか、メスザルにオスが「いいかっこ」したいのか(案外多いように思います)・・・・・考えてみるのは無駄ではないでしょう。サルの行動を理解し、「里」では人間の優位を保ち、棲み分けにつながるように人間の方が有効な行動をとるようにしたいものです。
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by k-saru-net | 2010-06-26 15:43 | メッセージ
2010年 06月 17日
家庭菜園被害の季節  6月11、12日 2010年
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 フジの花について前に書きましたが、その後すこしは食べるようになりました。といっても、長時間群がって執着することはなく、移動の途中にあれば摘んで行くという程度で、この時期はまだタンポポの花茎やウバユリの方を好んでいるようでした。

 冬期に較べると、毎日の移動距離が長くなり、咲き始めたニセアカシアの花やサクラの実にターゲットが移りそうです。しかし、その途中に家庭菜園があれば、まだ小さいネギを引き抜いて白いところだけを食べ、ジャガイモの苗を抜いて残っている種芋を食べていきます。

 野生動物対策を立てるうえで、被害統計(被害の種類、季節、金額等)は重要な要素であり、集計にあたるのは役場の仕事ですが、対策協議会に提出される役場の資料では、サルによる被害額は例年、十数万円とされています。サル対策に数千万円かけていますが、その結果被害額が減って十数万円になったというのではなく、役場が直接対策を行う以前から、この程度しか把握できていませんでした。

 過去5年ほど、朝夕に観察と追い払いをしてきた経験から考えると、農業・家庭菜園被害だけでこの数倍〜10倍。人家侵入、家屋や物品の破壊、花壇、糞尿などの被害は金額を算定しにくいのですが、例えば屋根のアンテナを壊されると、修復に1〜数万円かかるでしょう。屋根瓦をはがして落とすのを見た事もあります。2階の屋根から車に飛び降りて、ボンネットがへこんだという話もあります。軽井沢の高級別荘に入り込んだら、どんな高額な物を壊すのかなんて、あまり想像したくもありません。

 写真の被害はどちらも2〜30本のささやかなものですが、このような被害は逸失利益で算定するのでしょうか? 、作物が将来収穫されたときの金額に、被害に遭うまでの手間賃を足した場合と、単に苗や種芋の購入価格との間にはかなりの開きがありそうです。置いてあったミカンを盗られた場合の被害者感覚は後者に近いでしょうが、家庭菜園や農業被害の被害者感覚は前者の方に近いと思われます。
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by k-saru-net | 2010-06-17 21:10 | メッセージ