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2005年 07月 18日
追い上げ試験と棲み分けの可能性について 2005.7.15.      中間報告    T.M.
追い上げ試験と棲み分けの可能性について
これまで、軽井沢のニホンザル1群(100匹弱)と人間の生活が異常なほど近づきすぎていることを、様々な観察例を上げながら述べてきました。市街地において、サルと人間の共棲は不可能と考え、4月下旬から今日まで、人里ではサルの追い払いを行い、その中でも出来るだけ被害の出にくい山側に追い上げる試験を、2ヶ月あまりにわたって度々おこなってきました。
昼間は町から依託された「野生生物監視隊」が活動しているので、我々は早朝と夕方を中心に活動してきましたが、方向を定めての追い上げ試験は主として早朝、群れの活動開始時に行われたものがほとんどです。地図にピンクで示した領域が、昨年12月から半年あまりの間に観察した群れの遊動域で、青い線は4月下旬以降に行った追い払い・移動阻止・追い上げに位置です。詳細については、サル追いノートに日を追って記載してあります。ほとんどの場合、2〜5人で行い、サル追いの手段は、声・パチンコ・ロケット花火・爆竹などを使用しています。
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この図の中ほど右寄りにある離山の東側に集中する追い上げ試験は、市街地への侵入を阻止すること、あるいは市街地からの追い払いを目的に試験されたものです。中央西側に集中する青い線は、軽井沢町の西部・南部に広がる畑作地帯への侵入を防ぐことを展望して、中軽井沢地区を南北に縦走する湯川(千曲川の支流)と東西に走る鉄道・国道18号を群れが越えないように阻止する目的で追い上げを試験したものです。中軽井沢駅から北上する国道146号(茶色の線)の西側では、侵入した群れを湯川の東岸に押し戻す事をねらって追い上げを試験しました。

追い上げ試験で気づいたことを列挙してみます
* 群れが移動を始める早朝の方が、夕方泊まり場に向かう時間帯より一定方向への誘導が可能。早朝は大声・ロケット花火・爆竹等が使えないので、パチンコが中心だが、使える道具を考えたい
* 移動を止めて侵入を阻止するには、見通しの良い場所に3〜5人必要。3時間ほどであきらめて方向転換する可能性が高い。
* 橋以外のところで川を渡る際、子連れの群れは躊躇するので、「湯川防衛ライン」で阻止するのは効果的で、阻止出来る可能性が高い。湯川にかかる樹木の枝を切っておくなどの対策も必要。
* 旧軽井沢地区への侵入は、繁華街よりも1kmほど手前で阻止した方がよい。繁華街に入られると、道具類が使用しにくいし、住民や来客の考えが多様で、摩擦を生じることもある。
* 離山・中軽井沢・千が滝地区など地元住民の多い所では、サルの追い払い・追い上げは当然と考えている人がほとんどで、積極的にBB弾銃やパチンコで追い払いに出て来る人も多いが、旧軽井沢商業地や別荘地の住民には、追い払いの必要性を浸透させることが必要と感じられた。
* 追い払いに際しては、町の広報車などの出動がのぞましい。追い上げの中・長期的方針を住民に周知させ、追い払う方向など、現場で指揮する人が必要。
* 塩ビ管を使ったロケット花火発射装置は群れの進行を止めるのには有効で、特に川や道をはさんだ場所から発射して侵入を阻止するのによいが、群れを一定方向に誘導するのには不向き。
* パチンコは競技用の強力なものではなく、おもちゃ屋で売っている百数十円のものをあえて使用し、小石を飛ばすことでサルはパチンコを取りだして構えるだけで逃げるようになり、サルに威嚇されやすい年輩者でも簡単に追い払えるようになる。
* パチンコやロケット花火を使用することで、サルは一定の距離を保つようになり、追い上げの人と人の間を突破しにくくなる。
* 爆竹はそれ自体ではあまり効果がないが、パチンコや直接追いかける前に鳴らすことでサルに恐怖心を与えることができる。また、周囲の住民にサルの存在を知らせる効果がある。
* 追い上げの際は出来るだけ群れを散らかさないようL字やU字の態勢で追い、散らばり過ぎた時には、一時動きを止めて周辺に回り込む。先頭集団と群れの中の一番大きい集団の動きに注意する。
* 住居侵入や人への威嚇を繰り返す「追随オス」が周囲に2頭いて、群れに馴染んでおらず、群れの若サルを威嚇し、群れの集団移動を阻害しているように感じられる。群れの一部を引き剥がし、分裂に至る可能性も考えられるが、雌ザルとの関係は不明。
* 簡易防護柵は狭い空き地を利用している家庭菜園では、周囲に立ち木があって、効果的ではない。ビニールハウスの骨組みに全面ネットを張り、下部を足場用鉄パイプなどでめくれないようにするのがお勧めです。
* 軽井沢という土地柄、鑑賞植物(特にユリ)の被害を無視できない。
* 群れ全体の個体識別にはかなりの時間と専門担当者が必要。特に目立った加害個体は識別が可能だが、それをねらって捕獲するのは簡単ではない。
* 観察期間中(約2ヶ月)に少なくとも3 件(他に目撃情報1件)の交通事故があり、うち2頭は死亡。連年出産(年子)の割合が多いのに、個体数が横ばいである理由が、交通事故にある可能性がある。交通事故は、サルのみならず、人間にとっても危険な状況である。

防衛ラインの設定
サルと人間が棲み分けをはかるとして、添付図の北東部の緑の部分は、サルの棲息地として想定した領域です。ほとんどが「長倉山国有林」で、その地域の植生調査を始めたところですが、草地・裸地・水面・路面などの割合はひじょうに低く、大部分が森林です。これまで歩いた限りでは、カラマツなどの針葉樹人工林に密植状態で貧困な植生の林が一部に見られますが、樹齢の高い人工林では混交林化が進んでいて、また沢筋を中心に広葉樹林も発達していて、全体の印象では、広葉樹の割合は3〜4割ではないかと考えられます。
現在の遊動域(ピンクの部分)は比較的広葉樹が多いとはいえ、市街地・路面・モミ林なども多く、広葉樹林の割合は6割程度でしょうか。役場では「サルが山に行かないのは、国有林がカラマツばかりで餌が無いからだ」という話がよくでますが、単純に面積と広葉樹の割合を考えると、緑の部分とピンクの部分は、サルの餌という点ではそれほど大きな差はないかもしれません。さらに調査を進める必要がありますが、ピンクの領域では面積あたりの餌の密度が高く、楽に餌を摂れるということだと思われます。春になって、タンポポ・フジの花・ニセアカシアの花・サクラの実・クワの実など、強い執着を示すエサが里に集中していて、国有林には少ないのも、市街地や別荘地を好む理由かもしれない。
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湯川・国道146号に防衛ラインを設定して、町の西側に侵入させないという事は、過去2002年の夏、ピッキオによる追い払い試験でも試みられ、その話を聞いていましたが、今回は春期の2ヶ月あまりの間に試験を行いました。その結果、早朝に湯川を渡ろうとする群れを阻止することは比較的少人数(3人以上)でも可能でした。昼間や夕方の阻止にはまだ課題も残っていますが、湯川に向かう動きを早めに察知して、5人程度の人数がそろえば阻止する事は可能と思われます。昼間や夕方は人や車が多く、周辺との摩擦を避けるためにも、町の担当者による広報が望まれます。
旧軽井沢地域は観光客の多い繁華街で、商店も多く戸締まりによる被害防止が困難で、人間に対する直接的加害や交通事故の可能性が高い。商業地域への侵入を阻止するために、旧軽井沢防衛ラインの設定が必要と思われます。地域内からの追い払いが他に較べると困難であり、侵入経路にもよりますが1kmぐらい手前に防衛ラインを設定するのが効果的と思われました。早朝であれば比較的阻止しやすいのですが、昼間や夕方は特に人や車が多く、役場による広報が必要な場所です。これまで侵入阻止に成功したのは、北西の三笠パーク方向から一本松北側を経由して来た場合と、南西の東部小方向から雲場池付近を経由した侵入しようとして来た場合です。いずれも、早朝の阻止行動が特に有効ですが、昼間や夕方でも不可能ではありません。
旧軽井沢と湯川の間は、離山斜面から市街地に出さないよう、追い上げが可能と思われます。時間帯にもよりますが、この地域では地元住民が追い上げに参加することを期待できます。その際、広報車による呼びかけや、追い散らさないよう北への追い上げを指揮する態勢が必要です。
以上、きわめて大雑把ですが、地図上に水色で防衛ライン試案を書き込んでみました。当然ですが、その時の状況や季節によって変わってくると思いますが、一定の方針を定めて追い上げを行うことが重要と思われます。また、防衛ラインを設定して、東・南・西方向の行動をコの字型に制限することで、群れの遊動域が北に拡大するようしむけることが棲み分けにつながると考えられます。群れが実際に北へ移動するかどうかは、防衛ラインでの阻止行動を続け、さらに年々ラインを北へ上げて行くことが出来るかなど、全く不確定ですが、サルによる被害をなくすためにも、防衛ラインを設定して里への侵入を阻止することは重要な対策と言えるでしょう。
現在の遊動域のままで、電気柵・ネット・戸締まり等の防護策を講じながら、住民による追い払いで、「共棲」が可能という意見も聞かれますが、人口密度が低く集落・田畑・山林等の土地利用区分が比較的単純な農村地域とは違い、軽井沢は商業地・住宅地・別荘地・畑・山林等が複雑に混在しているため、スポット的防衛はきわめて困難で、大きくゾーン分けする方が効果的だと思われます。
この2ヶ月あまりの追い上げ試験・防衛ラインでの阻止試験で得られた結果の多くは、H14年度 「軽井沢町におけるニホンザルの被害防除と保護管理のための調査・対策事業 報告書」(ピッキオ)に記載されたものと重なります。また、宮城県がこの3月に出した「ニホンザル保護管理計画」の方針とも共通するものが多くあります。
エサを求めて移動することが多いサルの群れですので、季節によって試験結果も変わることが考えられ、さらに追い上げ試験を継続することが必要ですが、「全頭駆除計画」が破綻した現在、軽井沢町におけるサル対策の基本を「追い上げと棲み分け」に置いて、その具体化を模索する時期に来ていると思われます。
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by k-saru-net | 2005-07-18 23:04 | メッセージ
2005年 06月 24日
6月24日  ブログ「 軽井沢のニホンザル  軽井沢サル・ネット」開設  T.M.
「軽井沢 これで?いいん会」を離れて、40日になります。考えた事を一つ一つ実践して、軽井沢のサルの現状を捉え、対策を作り上げて行こうとする有志の集まりとして
行動してまいりました。「これで?いいん会」の皆様には、絶えず情報を提供し、疑問や
意見を送ってまいりましたが、この40日間全く返事も何も返って来ませんでした。

サル問題では、被害住民・猟友会・行政・ボランティア・自然保護団体等々、様々な
立場で感じていること、見てきた事、対策への希望などが、それぞれにあることでし
ょう。それら多くの情報を集積し、様々な試行錯誤を検証し、サルの行動や被害の現
状を総合的に捉え、対策を打ち出すために、自由でオープンな情報交換・意見交換が
不可欠です。

我々が考え実践してみたことを多くの方々にお伝えし、また多くの方々からの情報や
ご意見を受けられるよう、インターネットでブログを開設しました。
 E-Mail でのお便りをお待ちしています(お寄せいただいたものを、無断で公開・掲載する事はありません)。

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by k-saru-net | 2005-06-24 17:42 | メッセージ
2005年 06月 07日
山に追い上げる    S.M.2
新緑が美しく、さわやかな風、半そでになりたくなる瞬間もあり、最近、とてもいい
季節になったなと感じます。

サル追いをしていると、軽井沢の地元の方や別荘地の定住者の方たちと話す機会があ
ります。以前にも書きましたが、私たちは「サルを山へ帰そうと考え、観察したり、被害から遠ざけようと追い払いや、山方向へあるいは、防衛ラインの向こう側へと追い上げを実践しています。」と説明します。(こんなにていねいには説明していませんが、やっていることは事実です。)

すると、必ずといっていいほど、帰ってくる答えのひとつに、「山への追い上げはむずかしいのではないか。」ということばでした。それに対して、私は理路整然と「こうだから絶対に大丈夫だ。」とは答えられません。実際のところ、私の中でもわからないことばかりなのですから。今はとにかく、サルの現場で行っている作業を継続していきながら、ひとつひとつ出てくる疑問を解明していくしか道はないような気がします。
とりあえず、「やってみなければわからないでしょ。」「何もしないでいるよりましでしょ。」です。

日本国内で果たして、サルを奥山へ追い上げる事をしている場所などあるのだろうか
と思っていましたが、今、読んでいる本の中に見つけました。紹介します。

石川県の白山ジライ谷野猿公苑が餌付けを止めて群れを野生に戻す努力を始めたそう
です。(95年のこと)もちろん、サルが増えすぎ、多くの猿害が発生したためです。
繰りかえし協議をした結果、餌付けを止め「同時に野猿広場にこれまで通り、村から
一人配置して、群れの追い上げ、追い払いを行うことと、観光客に対して、周辺の自
然のガイドを行うことにした。」

「野生に戻す試みの実に見事な例である」と『サルとつきあう』の和田一雄さんは書
いています。追い上げる山は豊かな天然林であった、とも記されています。長期の展望として、その将来を野生化にありとして、実行した態度は高く評価される
べきと。

軽井沢のサルは白山ジライ谷野猿公苑のように公然と餌付けされたサルではありませ
んが、軽井沢の観光客や工事現場の業者さんやあるいは別荘の方による、餌付けはずいぶん
前からされていたと聞きます。そのために、長期にかけて、人馴れを助長させてしまった結果、軽井沢町に棲みついてしまったわけです。

軽井沢町はピッキオ、そのあと、猟友会に委託し宣伝や追い払い、末は全頭駆除を打
ちだすなど、その場限りの対応のみで軽井沢町のサルの群れを将来、どうしょうという展望
を示してはいません。それに対して、私たちは町からの具体案を待ち望みながら連日少数の人間だけで群れを追い上げたり、観察をしたりしています。

「共生」という考え方も聞きますが、実際、町の住民の被害感情の多いこと、強いこ
とを直接感じている中で私は完全にそれは不可能と思っています。机上だけの空論で
この問題は解決していかないことを、強く感じています。ですから、「共生」という考え方が公の方角から聞こえてきたとしても、まったく問題視していません。

今後、私たちが働きかけていく相手を、行政、そして、地道ながら被害者である住民
のひとりひとりに訴えかけ、「棲み分け」「追い上げ」への理解をひろめつつ、力強
い明確な展望が町から発せられることを期待していきたいと考えています。

そのために、普及啓発の一端として、5月19日の朝日新聞の切り抜きをコピーした
チラシを住民に機会あるごとに渡し、読んでもらい、又、観光客に向けてのチラシを配っていくなどの行動も起こしていきたいと考えています。
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by k-saru-net | 2005-06-07 09:24 | メッセージ
2005年 06月 01日
6月1日  「交通事故・・サルと人間の距離」 T.M.
今朝、7:40にセキレイ橋横を横断中の小猿が事故にあいました。道路脇が駐車場になっていて、その奥の石垣を駆け下りてそのまま横断しようとした所を、中軽井沢方向からの車にはねられました。

昨夕、中軽井沢西のはずれにある町営住宅上の斜面(上の原東南端)に泊まった群れが、斜面下にある菜園のネギを食べないうちにと思い、5時から追い上げを始めました。昨夕はそこで近所の3人と追い払いをしましたが、泊まり場と決めたらしく、頑として動こうとはしませんでした。
群れは上の原東端の斜面に沿って、北に移動し、斜面の上から1人が押して、次第に東の低地に中心を移つしていきました。国道146に近い集落に入ると、次々住民が追い払いを始め、4人で出来るだけ湯川方向に追
い上げ。7時頃に、先頭は国道を東へ横断しますが、集落内には家庭菜園が多く、残ったサルを何度か回り込んで追い出すのに手間取りました。

群れの一番北側の集団がホテル・ブレストンコート東の斜面を駆け下りて、その中の一頭が国道で事故。頭部を強打し、即死状態でした。道路に横たわっているのを、セキレイ橋のたもとに回収した後、30頭ほどのサルが橋の反対側に立って、こちらをずっと見続けていたのが印象的でした。

もう一時間早く国道を渡らせることができれば、せめて30分でもと、後から考えても仕方ないことですが・・・。この一ヶ月だけをみても、なぜか通勤・通学時間帯に混
んだ道を渡る事が多い。サルにとって不幸なばかりでなく、もし車がサルをよけようとして、車同士の衝突や通学中の児童に突っ込んだりとなったら、・・・・人里での共棲は無理であろう。今朝、はねた車も3台連なって走っていて、急ブレーキをかけたら車同士の事故になりかねない状況でした。

暖かくなってきて、窓や戸の鍵のかけ忘れが増える季節、人家侵入の被害が多くなっています。今のところ、ミカンや饅頭をとられたという程度の被害ですが、先日フク
ロウの巣立ち雛をいたぶった事を思うと、もし侵入した部屋に赤ん坊が寝ていたら何が起きるのか。もちろん、網戸にも鍵をつけるという指導は必要ですが、それが徹底するまでの時間を考えると・・・、何か起きたとき、鍵をかけなかった親が悪いとか、開けっ放しで遊びに出かけた兄弟が悪いと言えるのだろうか?

「これで?いいん会」が出来て間もない頃、ピッキオのHさんをよんで話を聞いた事を覚えているでしょうか。 その時だったと思いますが、最初に読んでいただきた
い本として皆さんに紹介しました「里のサルとつきあうには」の著者である室山泰之さんが軽井沢のサルを見て、「猿害発生地にしては、サルと人間の距離が異常に近い」と述べた事をHさんが紹介しました。この半年間、軽井沢のサルとつきあってきて、「距離が近い」という事をつくづく実感しました。

先日の朝日新聞ルポにあった宮城県のサル対策について、Hさんから、3月に出たばかりの「宮城県ニホンザル保護管理計画」のサイトを教わりました。そこには、「人とサルとの関係の良好な有り様について」・・・「人とサ
ルとが互いに一定の距離を保ち」・・・「人にとってサルは、山に分け入らなければ簡単には見ることのできない存在として、両者が一定の緊張関係を維持している状態
を構築することである」・・・という考え方が書かれています。

この考え方を軽井沢で取り入れるかどうかは、町民自身で決めていかなければなりませんが、すくなくとも現状では「サルと人間の距離が異常に近すぎる」と私は思います。今の状態では、いつ何が起きてもおかしくないのではないでしょうか。他にも、参考になることがいろいろありますので、興味のある方は下記のサイトをご覧ください。
http://www.pref.miyagi.jp/sizenhogo/seibutu/honyurui/saru/keikaku.pdf
 「これで?いいん会」を退会するにあたって、いいん会の皆様が主張された「共棲」を可能とする条件として、「被害対策に高いコストがかかる」と「個体数調整が必要になる」の2点を皆様はどう考えるのか、疑問を提出しました。いまだにどなたからもお答えいただけませんが、「個体数」の、問題に関して、私自身どうも合点がいかないことがありました。野生の状態ではあまり見られない連年出産が、軽井沢の群れではかなり見られる割には、個体数の増加が急激におきていない事です。もしかすると、交通事故の多さが、その答えかもしれないと感じています。
 この一ヶ月の間に3件というのは特別だとしても、年間6〜7頭でも交通事故死があれば、いかに出生率が高くても総数は横ばいになると思われます。いかがでしょうか? もちろん、「個体数調整」の手段として「交通事故」はサルにとって不幸なだけでなく、人にとっては危険この上ない事ですので、黙認できるものではありません。
少人数での観察と追い上げを、朝夕試みて一ヶ月になります。いろいろ問題点を整理する時期かと思いますが、その前に活発な意見交換を期待していました


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by k-saru-net | 2005-06-01 22:17 | メッセージ
2005年 06月 01日
6月1日  「住居侵入」      S.M.2
昨夜(5/31)の泊まり場は我が家から近い上の原でした、夕方にこのあたりを通過していきました。もみの木など樹木の多いところをつたわって移動しましたので、近所では大騒ぎにもならずに済みそうだったのですが、キッチンで仕事をしていましたら、S.M.1が鍵を閉めずに出たので、大きなオスザルがどうどうと、重い扉を開けて入ってきました。わたしと目を合わせても、驚く様子も
なく、相手がひるむことを想定して、様子をうかがう大胆さです。わたしはできるだけ大声を張り上げ、相手に余裕を与えずに迫っていきましたら、逃げていきました。
すぐに外に出て追いかけますと、小窓の開いているサッシを空けているところでした。

勢いに圧倒されて逃げ出したサルは近所の家々に入りこみました。

今回は何もとられなかったようでしたが、近所の各家に入り込もうとねらっているのは明らかで、なかなか、ほかのサルたちと同じ行動をとりません。

群れに近いところにいるのですが、どうもほかのサルたちと違うようです。たちの悪いハナレザルのような存在です。この群れにとりあえず入ったが人家に入って盗みをはたらく悪い癖はぬけていないといったところでしょうか。

今朝、かなりの時間をかけて、湯川の向こう側へ追い上げている途中、又又、昨夕のサルに出会いました。ほかのサルたちはほとんど追われて逃げているのに、このサルは人家に入りこんで、とうとう、夏みかんを盗み出したようで、屋根の上でどうどうと皮を剥いて食べていました。屋根の家の人に聞きましたら、うちのみかんではないということ。

このたちの悪いサルはほかのサルにも影響を及ぼし、時には相棒と二匹でということもあるのでしょう。これからのサル追い時、要注意ザルとして、マークしていかなければと思いました。
特徴は、比較的大きいオス、このぐらいの大きさはなかなか見られず、しかも1匹だけの行動なのでわかりやすいかと思います。痛い思いをさせて、人家にはいることを嫌がるような学習法はないものかと考え中です。
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by k-saru-net | 2005-06-01 19:20 | メッセージ
2005年 05月 28日
5月28日  「考えた事を現場で確かめる」 T.M.
このところ週末になると、旧軽方面に群れが移動する事が多い。人が多くいても平気なようです。ゴミをねらっている様子はないし、エサにつられてというわけでもなさそうです。5月にはいって2度事故にあったとわれますが、車を恐れるふうでもありません。

昨夕もロータリーの南で住民が追っていましたが、今朝は5時半頃から3人ほどがBB弾や棒を持って追い回していました。群れは南西方向に移動する気配でしたので、移動方向の反対側から追うように声をかけ、一緒に追い払い、群れは精進場側を渡って西に移動。別荘の広い庭に集合してきたのを見計らって、さらに西に追い続け、700mほど移動させる。人が混みあう時間の前に旧軽地区から追い立てられたのは、まずまずの成功といえるでしょうか。

夕方には三笠パークの最上部にいたので、今日はかなりの移動距離です。連休明けから二日続けて同じ所にいることがあまりなく、せわしなく移動を繰り返しているように思われます。住民が住んでいる所は、たいてい誰かが追い払いに出てきて、我々もそれに参加するので、群れにはプレッシャーがかかっているのかもしれません。社会体育館駐車場でも、今朝のロータリー南でも、大型のBB弾銃を持っている住民がいたし、東部小西では、屋根の上でサルの位置を指示する人や、バットを持って追う小学生も登場。この調子でサルを追う人が増えていけば、人間は怖い、人里は恐ろしいとサルが感じるようになって、遊動域も次第に山に移って行く可能性もあるかもしれません。

しかし、人里では徹底してサルの群を追い払うことが、棲み分けにつながるかもしれないというのは、あくまでもまだ「仮説」の段階です。また一方で、私が最後に出席した軽井沢これで?いいん会」学習会で会員の方々が言われた「サルをいじめるような事はしたくない」「いじめると群れの性格が悪くなる」「花火などで脅してひどい事をしてしまった」「時にはエサで誘導を」「多少の被害は我慢する方向に住民の意識を変える」等々から、その後「いいん会」のメールに書かれている「サルとの共棲の可能性を模索」「猿の特性から見て、急な刺激的な追い上げでは解決に至らない」という一連の考え方も、同様にまだ「仮説」です。

自然界の現象を観察していて、その仕組みがひょっとしたらこんな具合かもしれないと思いつく事があります。その思いつきを「仮説」として、さらに現場で観察しながらその仮説がどれだけ現象を的確に説明しうるか、あるいは追試験を重ねて現象が再現されるかを検証して、「仮説」を少しでも「真理」に近づけていく作業が求められます。思いつきを現場で検証しないまま、公式の場で外部に向かって提案するのはこわい気がします。「これで?いいん会」の提案をされた方々は、ぜひその提案の根拠や観察例をあげてください。全国のニホンザルの中で、軽井沢の群れほど観察しやすく、場所を選べば追試も出来る群れはありません。その上で、軽井沢のサル問題に関する、自由でオープンな意見交換を始めませんか? 

他の大型動物同様、サルにもそれぞれの個性があって、さらに群れごとにも個性というか「文化」があると言われています。それぞれの群れが棲む環境が違えば、行動様式も違うでしょう。我々は、ニホンザルの一般的な行動原理を研究するわけではなく、あくまでも軽井沢の群れの行動を少しでも理解し、対策につなげていく立場にあります。

群れは頑固に新しい領域には行きたがらない、とピッキオや猟友会の方も言われますし、私もそう感じたことがあります。しかし、軽井沢の群れには、先代・先々代に新しい領域「軽井沢」にやってきたDNAが確かに残っているでしょうし、その後も遊動域を拡げつつ現在にいたっています。

夕方、三笠パークから中軽井沢に下る途中で、道を渡るイノシシの子供3〜4頭を見ました。ネコよりかなり大きく、親は先に行ったらしく見あたりませんでした。場所が近いので、先日、S.M.1さんが見つけた車にはねられたと思われるイノシシの子供の兄弟かもしれません。昨日の朝は旧軽で、監視隊のTさんがそこら中イノシシが走り回っているから気をつけるようにと注意してくれました。旧軽銀座通りから100mも裏に入ると、イノシシの堀跡だらけです。
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by k-saru-net | 2005-05-28 22:12 | メッセージ
2005年 05月 16日
5月16日 「共棲・共生」という言葉について  T.M.
「共棲」「共生」という言葉ですが、広い意味では「共に同じ所で生活すること」(大辞泉)ということです。やはり別々の場所で生活する「棲み分け」とは反対の意
味に使うべきではないでしょうか。「同じ軽井沢」と言われますが、軽井沢という行政上の区分けは野生生物の生態にとって何も意味がないのだから、人間とサルが生活べきでしょうし、その点は3月27日にお話したとおりで、私が「共生」ではなく「共棲」の字を使うのも、その点を明確にしたいからです。「共生」という言葉も安易に気分的な使われ方をされやすいのですが、皆様も中学か高校の生物で教わったとおり、本来は2種の生物がもっと密着した形で生活している中で利益を得ている様をさします。例えば、アリとアリマキや、イソギンチャクとクマノミ、イソギンチャクを背負ったヤドカリの関係のようなものをさします。「外部寄生」よりはちょっと離れた、お互いに行動の自由がある間柄、といったところです。片利共生・相利共生いずれにしろ、利益が絡む一種の社会的関係といえます。利害が反する人間とサルの間で、共生関係というのはなかなか難しいでしょうし、その関係を持続的に維持しようとすれば、前に書いたようにかなりのコストと個体数調整が必要になるでしょう。
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by k-saru-net | 2005-05-16 21:19 | メッセージ
2005年 05月 13日
5月13日 軽井沢 これで?いいん会 退会届  T.M.
「サル追い」とは直接関係ありませんが、今後どのような考えに基づいてサルを追って行くのか、ご理解いただくために、掲載します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
退会の理由
 5月9日の学習会および、その後の会員間のメールで明らかになったとおり、サル対策の基本姿勢に対する会員の発言のほとんどが「棲み分け」から「共棲」をめざすものに変わり、さらに5月11日の当会と役場、猟友会の3者会談においても、S副会長の報告にあるとおり、「我々は今、サルとの共棲がいかにしたら可能かという視点で色々と模索しており、・・・・」とあります。
 この会の発足当初から、私はこの町の現状では「サルとの共棲」は不可能と考え、あくまでも基本姿勢として「棲み分け(分棲)」を主張してまいりました。当会のパンフレット、子供向けのチラシ、3月27日の集会などでの発表をとおして、会員のみならず町民および自然保護各種団体に「棲み分け」を提言し、それにそってまいりました。しかしここに至って、多くの会員の皆様が「サルとの共棲」を希望されていることが明らかになりました。会内部での討論や検証作業を通じて、会の方針変更がなされたのならそれに従うこともあり得ますが、その過程を経ずして、県のサル部会座長との会談や、役場・猟友会との会談で「共棲」の考えが出てまいりましたので、もはや、この会の中にとどまって議論する段階を越えてしまったと考え、退会することとしました。

・・・・上記の理由に対する補足説明・・・・・・
 [パチンコ・爆竹・ロケット花火について] 5月9日の学習会において「サルに対してひどい事をしてしまった」「サルの性格を悪くする」等の批判がありました。夕方群れを見に行くと、東部小北・離山地区・千が滝西区・石山付近・一本松付近など住民や寮・別荘の多いところでは、サルの群を追い払おうとしている人や、サルを怖がっている年輩者に会うことがあります。その際、追っている人には加勢し、買い物帰りのおばあさんが通れば、話しながらパチンコでサルを追い払いました。状況によっては、爆竹やロケット花火も使いました。離山でBB弾を撃っているお父さんに従っていた小学生には、ガラスに気をつけてと言いパチンコをあげました。千が滝の寮管理人さんには爆竹をあげました。5月9日のことで猟友会が問題にした、一本松の別荘オーナーには、それ以前に群れが家の屋根で暴れている時、了解を得てロケット花火でサルを追い、パチンコを勧めておきました。現場に通っていれば、他にも何度もこのような事態に遭遇いますが、今もその時とった対応が間違っていたとは思いません。パチンコやロケット花火の効果を高めるために、安全と思われる場面で、サルに向けて撃つこともしてきました。これらはほとんどは、監視隊が来る前か、帰った5時以降のことです。
[サルとの共棲について] 
軽井沢の現状では、サルと共棲する事は不可能と申しました。厳密に言うならば、いくつかの条件を満たせば可能ですが、その条件というのは9日以降に語られているような「住民の意識変化」(多少の被害は我慢すればいい等々)とは考えていません。
 まず第一に、100頭近いサルの群と共棲しながら、被害をなくすにはかなりのコストがかかるという事です。被害を我慢しろと言うのは簡単ですが、現状でも困難な事を、さらに農業被害が拡大したり、人が噛まれた場合、意識の問題では解決しません。
被害を防ぐために、高額のコストを負担するかどうかが条件です。
 しかしそれ以上に重大なことは、第二点。今朝も三笠パークで見ましたが、一歳児を抱えた母猿が産まれたばかりの子サルに授乳していました。山奥のサルは通常一年おきに出産するそうですが、エサの豊富な軽井沢の里に生きるサルでは、年子を産む事があるというのは事実です。軽井沢の群れでは毎年20頭ぐらいは産まれますので、死亡する数を引いても、現状を維持しながら共棲するには、毎年一定数のサルを間引かなければなりません。それを怠ると、ぎりぎり飽和状態の群れは分裂し、被害防除コストは2倍にふくれます。
 第三に、現状でも群れが何らかのきっかけで分裂する可能性があり、軽井沢の里の自然に及ぼす群れの影響を考えると、100頭近いサルというのは多すぎると思われます。一頭ずつなわばりを持って暮らすカモシカや広範囲を移動するクマに較べて、サルやシカやイノブタは生態系に対する攪乱度が強いと思われます。
 いずれにせよ、里山や街中での共棲を考えるのなら、個体数の調整は不可欠です。皆さんのお考えの中に、この視点が欠けていることはなぜなのでしょうか? 現状の遊動域でサルと共棲するというなら、個体数を半分以下にするというような、「適正個体数」を算定することが必要かもしれません。

 [個体数調整と自然淘汰について]
Nさんが、サルを山に追い上げ、時にはエサも与え・・・というような発言をされていましたが、私は基本的にはかなりの数が大雪などで餓死しても、エサはやるべき
ではないと思います。エサを与えれば、遅かれ早かれ自然の状態で暮らせる個体数より増えすぎてしまい、人為的に頭数調整せざるを得なくなります。個体数調整にしろ有害駆除にしろ、強い個体を駆除する傾向が出ます。エサ不足による餓死は弱い個体が犠牲になります。自然淘汰は優良な形質の遺伝子を残し、その種の健全な保全につながりますが、人為的調整では逆に強い形質をなくしてしまうこともあります。冷たいようですが、厳しい自然の中で生き残ることが、野生動物にとって大切なことでしょう。軽井沢の標高は生き残り不可能なほど高いとは思いませんし。積雪量もそれほど深くはありません。生き残れないほど厳しい自然であれば、その場所はその動物の本来の生息域ではないというだけのことです。

   退会するにあたって
今後、サル問題に関して、情報交換・意見交換など私でよければ、あくまで個人の責
任において応じていきたいと思います。電話・手紙・メール・会合等、何でもかまいません。野外行動などでも、何かお役に立ちますようなら、どうぞお声をかけてくだ
さい。
               以上  T.M.
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by k-saru-net | 2005-05-13 21:17 | メッセージ
2005年 05月 10日
5月10日(火)  T.M.
昨夜の県サル部会のUさんを囲む学習会で、「軽井沢 これで?いいん会」の方々から出された意見について書きます。

私は、昨年の初冬からサルの観察を始め、いくつかの関連する本や資料を読んで、軽井沢の市街地でサルと共棲するのは不可能と考えるようになりました。一部あるいは季節的に別荘地での共棲の可能性を残しながら、最終的には東北部の国有林をサルの棲息地とする「追い上げ・棲み分け」を、サル対策の基本方針とする考えに基づいて「軽井沢の子供達へ  軽井沢100匹のサル」を書きました。その内容に対して、異論もなく、多
くの方々がそのチラシを配布し、パンフにも載せ、折り込みチラシの片面にもなりました。

その間の経過から、「追い上げ・棲み分け」がこの会の考えとして受け入れられていて、それを役場や町民に提案するために、現実の群れでテストし、対策の具体像を練るものと思っていました。

しかし、昨夜の学習会では、サルをいじめたくない、今のように群れが街中を遊動する中で、人間の方の意識を変えていけばいい、という意見がKさん、T.H.さんから出されました。さらにもう一つ、猿山を作ってそこでエサを与えて、街中の被害を防ぐ、という考えがT.A.さんから出されました。

棲み分けを実現するために、エサが豊富な軽井沢の市街地では群れを圧迫することも必要と考えたのですが、サルをいじめるのがいやだから「サル追い」には近づきたくないという発言もありました。

これら新しい意見や考えは、「追い上げ・棲み分け」案と同様に現段階ではあくまでも「試案」「仮説」にすぎません。実際の群れでトライアル・アンド・エラーを繰り返して検証し、具体的方法を練り上げ、はじめて町や住民に提案するに耐えられるものとなるでしょう。思いつきをしゃべるだけで、現場で動いて検証しないかぎり、ただの絵空事にすぎません。その点、3人の方々の姿勢には疑問を感じています。
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by k-saru-net | 2005-05-10 21:16 | メッセージ