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2010年 06月 28日
オスメスのペアで威嚇
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 前回6月26日に紹介しました「威嚇するオスザル」の中で、気の強いメスも威嚇してくる事があると書きました。そのときの写真は、2009年10月23日のものですが、今回の写真は同じ時に、オスメスがペアで威嚇してきたときのものです。後ろにいるメスの方は、発信器をつけた個体で、「みかん」と呼ばれています。
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by k-saru-net | 2010-06-28 21:22 | 写真
2010年 06月 26日
威嚇するオスザル 2010年6月26日
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 昨年10月23日、交尾期をむかえたニホンザルのオスが、カメラを向けた私を威嚇してきました。歯を剥き出しにして目をむいた形相はけっこう迫力がありますが、ひるまずかまえていると、こちらのコブシやケリが届く範囲のちょっと手前で引き返します。通常は群れのメスザルに認められたガードマン役のオスザルが1頭で威嚇してくる事が多いのですが、時には気の強いメスザルが威嚇することもあります。このときは、近くにいた交尾途中のメスザルも何度か一緒に威嚇してきました。サルと目を合わせずに後ずさりするようにと書かれていることがありますが、人間を威嚇しても無駄だと思い知らせるために、私はサルを睨みつけながらゆっくりと、足場の良い所では駆け足で向かっていきます。

 これまでに数十回威嚇をはね返して、一度も実際に接触することなく、ザルの方が去っていきましたが、だれにでもおすすめの方法かどうか、ちょっと自信はありません。棒切れや石を拾って身構えると、威嚇をはね返しやすい事はあります。車にはねられたコザルを拾い上げると、周囲のオスメス多数が集団で向かって取り返しにくる事もあります。コザルに人間の恐さを覚えさせようと、樹上に取り残されたコザルをいじめていると、やはり周囲のオスメスが複数で向かってきます。単純な威嚇よりも強く接近してきます。

 野生動物の行動を擬人化して理解することは避けるようにしています。まして、動物の行動を都合良く取り上げて、人間の行動を正当化するのは危険です。しかし、できるだけ冷静に観察して、威嚇・攻撃が何かの目的をもつものなのか、恐怖にかられての行動なのか、出会い頭のアクシデントなのか、メスザルにオスが「いいかっこ」したいのか(案外多いように思います)・・・・・考えてみるのは無駄ではないでしょう。サルの行動を理解し、「里」では人間の優位を保ち、棲み分けにつながるように人間の方が有効な行動をとるようにしたいものです。
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by k-saru-net | 2010-06-26 15:43 | メッセージ
2010年 06月 23日
ニセアカシアの花と死んだコザル  6月15日 2010年
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フジの花にはこの春、あまり執着しませんでしたが、続いて咲き始めたニセアカシアの花はさかんに食べています。サクラの実が黒く熟してきていますので、両方が一緒にある旧軽井沢ロータリー周辺を回遊する事が多くなっています。特に、ロータリー北西の町営駐車場や老人ホームを泊り場にして、旧軽児童館など東側に侵入しています。旧軽井沢地区の中心部であり、5年ほど前まで被害大きかった地域ですが、その後3年ほど旧軽地区の町内会(旧軽地区野生動物対策部会)を中心に毎朝サルの追い立てが行われ、侵入することが減りました。

 旧軽中心部の被害がほとんどなくなったため、町内会による追い立てが終了した昨年から再び中心部に侵入するようになり、今年もそれが続いています。夕方や早朝の侵入が多いため、その時間帯をカバーしていない役場のサル追い隊では、侵入を阻止できてはいません。

 この季節、交通事故によるコザル・アカンボウザルの死亡が多く、2頭のハハザルが現在、死んだ子供を持って歩いているのが見られています。
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死んだ子供をかかえたまま、6m ぐらいの高い梢でニセアカシアの花を食べているハハザルです。
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この時はあまり地上に下りず、死んだコザルをかかえて電線を伝いながら、立ち止まって上を見上げています。死んだコザルを持っているハハザルの「空を見上げるポーズ」は、以前にも(ここをクリック)見た事があります。
 他の時にはあまり見られないポーズで、なんとなく途方にくれているようにも見えますが、擬人化して捉えるのは適当ではないのでしょう。
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by k-saru-net | 2010-06-23 09:09 | サル追いノート
2010年 06月 17日
家庭菜園被害の季節  6月11、12日 2010年
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 フジの花について前に書きましたが、その後すこしは食べるようになりました。といっても、長時間群がって執着することはなく、移動の途中にあれば摘んで行くという程度で、この時期はまだタンポポの花茎やウバユリの方を好んでいるようでした。

 冬期に較べると、毎日の移動距離が長くなり、咲き始めたニセアカシアの花やサクラの実にターゲットが移りそうです。しかし、その途中に家庭菜園があれば、まだ小さいネギを引き抜いて白いところだけを食べ、ジャガイモの苗を抜いて残っている種芋を食べていきます。

 野生動物対策を立てるうえで、被害統計(被害の種類、季節、金額等)は重要な要素であり、集計にあたるのは役場の仕事ですが、対策協議会に提出される役場の資料では、サルによる被害額は例年、十数万円とされています。サル対策に数千万円かけていますが、その結果被害額が減って十数万円になったというのではなく、役場が直接対策を行う以前から、この程度しか把握できていませんでした。

 過去5年ほど、朝夕に観察と追い払いをしてきた経験から考えると、農業・家庭菜園被害だけでこの数倍〜10倍。人家侵入、家屋や物品の破壊、花壇、糞尿などの被害は金額を算定しにくいのですが、例えば屋根のアンテナを壊されると、修復に1〜数万円かかるでしょう。屋根瓦をはがして落とすのを見た事もあります。2階の屋根から車に飛び降りて、ボンネットがへこんだという話もあります。軽井沢の高級別荘に入り込んだら、どんな高額な物を壊すのかなんて、あまり想像したくもありません。

 写真の被害はどちらも2〜30本のささやかなものですが、このような被害は逸失利益で算定するのでしょうか? 、作物が将来収穫されたときの金額に、被害に遭うまでの手間賃を足した場合と、単に苗や種芋の購入価格との間にはかなりの開きがありそうです。置いてあったミカンを盗られた場合の被害者感覚は後者に近いでしょうが、家庭菜園や農業被害の被害者感覚は前者の方に近いと思われます。
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by k-saru-net | 2010-06-17 21:10 | メッセージ
2010年 06月 07日
野生動物の交通事故  2010年6月7日
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  昨日、国道18号の西部小東でニホンジカが車にはねられて死んでいたようです。話を聞いて私が行った時には、既に死体は片付けられていて、道路上に血痕だけが残っていました。(上の写真は6月4日早朝、上田・佐久地方から諏訪地方にぬける和田峠北の国道での事故写真です)。甲信地方では、ニホンジカが爆発的といえるほどの増え方で、農林業被害の他にもこのような交通事故が多発しています。信州の東端にある軽井沢も例外ではなく、21年度は町内で19頭のシカが事故死しています。写真の現場は、周辺に小規模の集落があるとはいえ、環境としては山地であり、シカが道に飛び出してきても不思議ではないのですが、軽井沢町の方は小学校の目の前で周囲に林や畑はありますが、どちらかと言えば市街地と言うべき環境です。

 ニホンジカの事故はほとんどが夜間におきますので、車はなかなかよけきれないようです。イノシシ(町内のイノシシ事故死は21年度8頭)やシカのような大型動物では、よほど頑丈なトラックでもないかぎりは、車の損傷も大きく、人身事故につながる可能性もあります。夜間の国道では県外車が多いため、大きな問題にはなっていないかもしれませんが、車が壊れたというボヤキは町内の人々からも聞かれます。朝になってから国道を横断することが多いニホンザルの群れでは、児童の登校時間帯の事故には特に注意が必要になっています。

 本来、生きている野生動物は法律上「無主物」(誰の所有でもない)という扱いのようですが、近年野生動物被害の増加にともない、行政が「保護管理計画」を定め、税金を投入して保護と管理をすすめています。絶滅が心配される動物の保護と同時に、増えすぎて生態系全体のバランスを壊したり、人間の生活を壊す可能性のある動物の個体数管理や生息域・生息環境管理は不可欠です。

 無主物であれば事故の責任は当事者にあるという事でしょうが、行政が予算と権限を持って管理する事になると、被害に対する責任問題が起きる可能性があります。例えば、絶滅の心配があるツキノワグマの場合、集落や農地に出てきたものを捕まえて、人間の恐さをいろいろと教えて山奥で放すという「学習放獣」が行われます。現状では対策の一つとして重要な方法ですが、同じクマが再度被害を起こす事も実際にあります。とりわけそれが人身被害であれば、微妙な問題に発展する可能性もあるでしょう。

 地域全体の問題として、現状の客観的な把握、対策の検討と合意が必要になりますが、とかく野生動物問題に関しては、行政側の情報公開への消極性、「可哀想な動物」という愛護論、「殺してしまえ」という被害者感情、「山に餌を増やそう」という大雑把な運動などが交錯し、まだまだ試行錯誤の状態です。軽井沢町は、近隣市町村に較べるとひじょうに多い額の税金を、野生動物対策につぎ込んでいます。その事自体は評価すべきですが、その効果の検証や地域住民を含む対策の検討や合意については、まったく不十分と言わざるを得ません。
        (シカ、イノシシの町内事故死数は役場の集計から引用しました)
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by k-saru-net | 2010-06-07 21:19 | メッセージ
2010年 06月 06日
6年を経過して  2010年6月6日

 軽井沢のニホンザルとかかわり始めて6年あまりが過ぎました。観察、追い払いを中心に対策に取り組んできました。その間、猟友会や役場により追い払いと並行して捕獲も行われ、群れの行動や構造の変化も見られました。軽井沢町は全国の市町村に較べると、かなり潤沢な対策費をつぎ込みながら、被害の面から見ると一進一退を繰り返しています。税金を投入して対策にあたるという事が必要な状態ではありますが、その事業がどんな結果をもたらし、さらに今後どのように展開すればいいのか、という検討がまったく不十分なまま続けられています。

 ニホンザルにかぎらず、イノシシやニホンジカの被害も多く(農業被害に限ればこれらの方が大きい)、町内全域あるいは周辺市町村を含む広域にわたる野生動物とその生息環境である「自然」をどのように「管理」していくのか、さらに多くの方々と考えていきたいと思います。
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by k-saru-net | 2010-06-06 08:25 | 軽井沢サル・ネットとは
2010年 06月 06日
新幹線の横断  2010年6月1日
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             写真をクリックしますと拡大画像が見られます
軽井沢町の中央部にある中軽井沢駅から東部の軽井沢駅間で、群れはたびたび東西に並行する国道18号、しなの鉄道、長野新幹線を越えて南に渡ります。その度に北へ押し戻していますので、南側に定着する事はありませんが、役場のサル対策員が来る前の早朝に渡るため、一人で対応する事も多く、気の抜けない状態です。

 群れのほとんどは歩道橋や陸橋を利用しますが、新幹線の線路内にはいる事も頻繁にあります。写真右は南側から新幹線のフェンスに上がって様子を見ているサル。左は線路内を渡って北側を並行するしなの鉄道の線路に下りるところです。この後は、国道を渡って北にある軽井沢警察署にはいりました。人間ならばそこで「列車往来妨害罪」か何かで御用になるところです。

 新幹線のフェンスはかなり高く、さらにその上には外側に傾けた支柱にバラ線が張ってあり、鳥以外の野生動物の侵入は難しそうですが、サルは簡単に越えていきます。赤ん坊を背負ったメスザルでも越えて行きます。バラ線にかえて電気ショックを与える通電線を使用すれば線路内への立ち入りは防げそうです。
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by k-saru-net | 2010-06-06 05:13 | メッセージ
2010年 06月 01日
今年は不人気なフジの花  2010年6月1日
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 前回はフジの花の開花を報告し、しばらくは花を食べ、役場の北西に定着するのではないかと書きましたが、どうも予想がはずれたようです。

 離山の北側から西に下った群れは、湯川東に1日と少し滞在しただけで湯川を渡り、千ヶ滝西区へ。2日あまり回遊し、北回りで東岸に戻り、2泊して今度は離山南回りで東へという、あわただしい動きを続けています。その間、フジの花も少しは食べていますが、タンポポ、ウバユリ、ヤマユリ、ホウの花芽、トチの若葉のなどが菜食の中心です。上の写真(5/23) はトチを食べているところですが、若い葉の葉柄の根元を食べています。ウバユリ、ヤマユリは茎の地際部分、タンポポは花の下の花茎を好みます。タンポポなど、人間は若い葉や花は食べられますが、サルの好みは違うようです。

 今年、フジの花が人気ない理由はわかりませんが、一時の激減から回復したユリの方が栄養があるのでしょうか。あるいは、低温続きで、フジの花の香りや蜜が少ないのかもしれません。今週末頃から、ニセアカシアが咲き始めるでしょうから、どんな反応を示すかをみたいと思います。
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by k-saru-net | 2010-06-01 12:56 | サル追いノート