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2010年 11月 22日
東京で一般向けの「クマ イベント」 紹介  2010年12月11日(予定)
信州ツキノワグマ研究会から、JBN (日本クマネットワーク)主催の企画案内が送られてきました。一般向けのわかりやすそうな内容ですので、紹介します。他にもイベントや今年のクマに関する記載がありますので、詳しくはJBNのサイトをご覧下さい。

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イベントのご案内「クマとの共生のために私達ができること」
 日本クマネットワークは、「クマとの共生のために私たちができること-クマに出会わない、おそわれない方法を知ろう-」と題した一般向けイベントを開催します。

 イベントでは、ヒグマとツキノワグマのトランクキットを使った子供向け教育プログラムの実演のほか、人身事故の事例紹介、クマに出会わない、出会ったときの対処法のレクチャー(基礎編~上級者向けまで)を行います。


日時 :12月11日(土)13:00~16:45
場所 :東京大学農学部(弥生キャンパス) 2号館 2階 第一講義室
    (東京都文京区弥生1-1-1)
アクセス:東京メトロ 南北線 「東大前」駅下車、1番出口から徒歩1分程度
参加費:無料(予約不要)

内容:
1.開会挨拶
2.こんなところにもクマがすんでいる
    ~国内や関東のクマの生息状況~
3.クマってどんな生きもの?
    クマ・トランクキットを使った子供向けプログラムの紹介
4.クマとの事故ってあるの?
    ~関東の人身事故の傾向、登山道での事故事例紹介~
5.クマと出会ったときの対処法(中?上級者編)
    ~こんなときどうする?専門家に聞いてみよう~
6.閉会挨拶

主催:日本クマネットワーク 

*この活動は、平成22年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けています。
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 この写真は2007年7月、軽井沢の別荘地で撮ったオオセンチコガネがサルの糞を丸めて運ぶところです。まだ、クワの実を食べている時期の糞ですので、きっとクワの種が含まれているでしょう。オオセンチコガネにとっては自分の繁殖活動でしょうが、クワはそれを利用して分布を広げて行きます。

11月13日、松本の信州大学で行われたツキノワグマ・シンポジウムに参加してきました。小池紳介さんの講演内容で、クマが植物の実を食べて種子を散布する様子は、サルにも共通することでもあり、興味深く聞きました。クマは大量の糞を一度にするため、大量の種子が一カ所に排出されてしまいます。そのままでは小さな面積に種子が多すぎて発芽・成長が妨げられてしまいます。しかし、野ネズミ(アカネズミなど)が糞の中の種子をどんどん運んで、食べきれない分を貯蔵します。食べ忘れられた種子は発芽しやすい環境に置かれます。オオセンチコガネは地面に穴を掘って、丸めた糞を入れます。植物にとっては最高の種まきですね。

 サルがクワの実を食べるのを見ながら、自分でもちょっとつまんで食べる事があります。サルが長時間執着するのがわかるほど美味しく、丸ごと食べられて、種は小さいのでそのまま噛み潰さずに飲み込みます。サクラの仲間の実にもサルは群がります。オオヤマザクラなどの大きめの実では、種が捨てられているのを見ますが、一部は飲み込んでいるかもしれません。ウワミズザクラのように小さい実ではどうでしょうか。来年、糞を洗って調べてみることにしましょう。クワ、サクラ類とならんでよく食べられているミズキの実では、果肉だけではなく種をパリパリ大きな音を立てながら噛み砕いています。

 さて、ツキノワグマが種を噛まずに飲み込んで、種子の散布につながる話はとても良く理解できました。しかし、なぜ種子を噛み砕かないのでしょうか? 堅果類をたくさん噛み砕いて食べる秋、クマは冬眠にむけて脂肪をつけ体重を増やします。しかし、夏場は山のエサが少ないと言われていて、サルもクマも体重が減り農業被害が多発しますが、その時期もクマは種子を噛み砕かずに実を飲み込みます。クマの糞から回収された大量のミズキの種を見せてもらった事があります。「種子散布のため」に丸呑みするというはずはありません。効率よく大量に食べるため丸呑みするのでしょうか? 消化能力が低いのでしょうか? 大井 徹 著「ツキノワグマ」に、クマの胃からそのまま出てきたイチョウの種子の写真が載っています。ギンナンの臭い果肉をとり除いて種の中だけ食べるのは人間の勝手な好みでしょうが、クマはなぜ種を噛み砕き大きくて栄養のありそうな中身を利用しないのでしょうか?

 米田 一彦 著 「生かして防ぐ クマの害」に、クマの単一大量食について書かれています。「クマの単一食は恐ろしいばかりだ。・・・・・・・この単一大量食の性質により、クマは消化不良の糞を大量に出す。」 大量のカキの実ばかり食べて、渋のために肛門脱をおこしたクマの事も書かれています。この食性はクマにとって有利な方法なのでしょうか? サルの場合は単一食とまでは言えないかもしれませんが、クワの木にいつまでも群がり続けながら痩せている初夏のサルや、群馬県に下った集落で観察したサルの群れが、毎日横にある畑の作物に目もくれず柿の木にとりついて一本ずつ丸裸にしていく様子は、「アルコール中毒」のような一種の依存症を思わせるものです。
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by k-saru-net | 2010-11-22 07:37 | さまざまなイベント紹介
2010年 11月 08日
ヤマガシュウ、ムラサキシキブ  11月8日 2010年
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 蕨尾の尾根で11月6日朝、ツツジなどの低木の薮に、ヤマガシュウとムラサキシキブが混在し、実をつけていました。数匹のサルがのぼって実を食べています。このサルは、ヤマガシュウの方がお目当てのようです。ムラサキシキブにもアカンボウを連れたハハザルが数頭、とりついていました。

e0005362_544699.jpgシオデかとも思いましたが、トゲの様子や茎が木質という点から、ヤマガシュウのようです。以前にも千ヶ滝西区でこの実を食べるサルを見ました。黒い実はかすかに甘いのですが、青臭さが強くけっして美味しいものではありません。中の種も大きく、硬く、容易には割れませんでした。
下の写真は、おなじみのムラサキシキブですが、緑の葉はヤマガシュウのものです。マイナス2〜3度の朝が続いて、ムラサキシキブの実は甘くなっています。焼酎につけると、琥珀色の果実酒ができます。

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 このところクマの報道では、夏の暑さのために山の実りが不作と言われています。夏暑いと実らないのかどうか、よくわかりません。軽井沢で見る限り、種類によるばらつき、場所によるばらつきが大きいように感じますが、総体的にはどうなのか断定できません。この秋とくに餌が足りないのかどうかは、動物によって食べるものが違ったり、その餌に対する依存度の差があるでしょうから、一概に言えるものとも思われません。
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by k-saru-net | 2010-11-08 06:04 | サル追いノート
2010年 11月 05日
公開セミナー「つなごう、いのちのにぎわい」(予告) 11月14日(日) 2010年
 長野県環境保全研究所のセミナーをご紹介します。紅葉の進む飯綱の山中にあります。周辺では戸隠蕎麦の美味しい季節です。
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画像をクリックしますと拡大されます
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by k-saru-net | 2010-11-05 04:36 | さまざまなイベント紹介
2010年 11月 03日
ヤマブドウ・・・秋の実り 11月2日 2010年
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 タイトルの日付は写真の撮影日です。前々日の10月31日早朝、サルの群れの中の数匹がこのヤマブドウに群がっていました。食べ尽くすわけではなく、つるにも地上にもたくさん残っていました。

 クリの実が木から落ちて、群れのサルが地上でクリ拾いに明け暮れるようになっても、一部のサルが高い梢で餌探しをする姿も見られます。多くの場合、ヤマブドウがお目当てのようです。この季節に樹上で食べるサルナシとホウの木の実は、私が見た範囲では不作です。今年クマの出没にともない、秋の山の実りは不作と報道されていますが、軽井沢で見る限り、一概に不作とは言えないと思います。コナラ・ミズナラは全体的には不作ですが、場所によってはかなり見つかります。クリは平年作。熟す時期がだらだらと長かった(木や場所によるばらつきが大きかった)ように感じます。春に花の多かったヤマボウシは不作で、早い時期に食べ尽くしてしまったようです。これから餌になるイチイは不作、ムラサキシキブは実が色づいています。ミズキは場所によるばらつきが大きく、ミツバウツギは平年並みでしょう。

 山の餌が不足かどうかは、それぞれの動物によって異なるでしょう。それも、過去数年のその動物の増減によっても、必要量は違ってくるでしょうし、秋に特定の餌にどれだけ依存しているか、多様な餌に対するフレクシビリティーは動物によって異なるでしょう。ニホンザルの群れは、同じ地方でも群れごとに、食べるものに少しずつ違いがあるようです。餌の不足が新しい「食文化」を導く可能性もあります。動物にとって、ある程度の不足は弱い個体の淘汰を通じて、種としての健全性を維持するという面もあるでしょう。

 以前、人が置いたと思われるドングリや栽培クリが、別荘地内で大量に見つかった事があります。また冬を前にして別荘を閉める時に、残った米をばらまいて帰る人もいます。この秋、組織的に全国広範囲でドングリのばらまきが行われている可能性があります。その問題点については、多くの研究者や現場から指摘されていますが、ここでも最近読んだ研究報告を一つ紹介します。

 軽井沢のニホンザルについては、その遊動域の山はほとんどが別荘地になっています。自然林か人工林か、奥山か里山か、という見方とはまた違う側面があります。
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by k-saru-net | 2010-11-03 06:20 | サル追いノート
2010年 11月 02日
シンポジウム「ツキノワグマの生態学」 (予定) 11月13日(土) 2010年
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信州ツキノワグマ研究会から紹介されたシンポジウムです。この秋、各地でクマに関する報道が増えています。中には、センセーショナルな内容もあるようですが、クマの活動に接する事が多い時ほど、客観的な検証と冷静な対策が求められるでしょう。喜んでいいのかわかりませんが、タイミングの良い企画です。
   (画像をクリックしますと、拡大してみる事が出来ます)
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by k-saru-net | 2010-11-02 07:45 | さまざまなイベント紹介
2010年 11月 01日
ニホンジカ 研究発表会 報告 10月30日 2010年
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 台風接近中の荒れ模様の中、長野県環境保全研究所が開いた研究発表会に参加しました。場所が長野市の北、飯綱の山中にあるため、県内からの参加者でも多くは片道2時間前後のドライブでしたが、さらに遠方の県外からの参加者も多く、関心の高さと同時に、環境研や信州大学のこれまでの取り組みに対する評価の高さをも感じさせる集まりでした。

 内容は左記のプログラムのとおりですが、研究や対策の最前線からの報告であるにもかかわらず、いずれも分かりやすい発表でした。研究者とはいっても、現場でいつも住民に接しているからでしょうが、言葉も平易で、なによりも現在の観察や研究の限界点をそれぞれが自覚しながらまとめているスタンスには、誠実さを感じました。

 発表会の長い名称からもわかりますが、多くの野生動物の中から、今回はニホンジカを取り上げたということでしょう。近年、各地で自治体主催のシンポジウムが開かれますが、どこでも被害を及ぼす動物が1種類だけということはほとんどなく、どうしても内容が総花的になります。一般住民を対象にするということから、「啓蒙」というスタンスが強いきらいがあります。今回は研究発表という形でしたが、内容も表現も一般住民が理解できないというものではありませんでした。場所からくる制約がありますが、特に部活などで意識の高い中高生が参加できるとおもしろいと感じました。

 研究発表というレベルを崩さず、民間や中高生の参加の壁を低くするために、例えば昼食時に用意した会議室で、食べながらざっくばらんな会話をリードするというのも可能でしょうか。この発表会については、信州ツキノワグマ研究会からメールで知らされました。クマ関係が中心ですが、貴重な情報を随時メーリング・リストで配布しています。誰でもがアクセスできるオープンな情報センターのようなものが欲しいところです。

 3年ほど前になりますが、クマについてはまったく知識も経験もない私が信州クマ研に入会したさい、当時の林代表と立ち話をする機会がありました。「サル関係でもこのような集まりがあるといいのですが・・・」と言いましたら、「そう思うなら、自分で作りなさい」と即答されました。まったくそのとおりなんですね。素質がない、時間がない、金がない等々、ありきたりの言い訳はいくらでもありますが、正論の前では恥ずかしいばかりです。今頃になってとりあえずというのも情けないことですが、このブログでも今回のような集まりの情報を、報告ではなく予告として取り上げて行きたいと思います。私の情報収集能力はひじょうに低いので、イベントなどの情報をこちらへお寄せいただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
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by k-saru-net | 2010-11-01 08:08 | さまざまなイベント紹介