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2010年 07月 23日
別荘の屋根でシラミ退治


 依然としてクワの実の採食を中心に回遊しています。真夏の暑い陽ざしが続いていますが、関東平野と佐久平の峠にあたる軽井沢では、上昇気流が発生しやすいようで、強い雷雨に見舞われます。なぜか、サルのいる所に限って、局地的な強い雷雨がよく起きます。この日も夜の間に雨があったらしく、上り始めた朝日で毛を乾かしながら、何組ものサルが毛づくろいに専念していました。

 毛繕いとかグルーミングと呼ばれ、寄生虫退治の他、毛並を整える、塩をとっている、親交の確認など、さまざまに解釈されてきました。1990年頃から、地獄谷野猿公苑の職員の方々と田中伊知郎氏による観察で、シラミ退治をしていることがはっきりしました。つまみ上げて口に運ぶのは、ほとんどがサルジラミの卵で、ときおり成虫も捕らえる事があり、卵のつまみ上げ方にはいく通りかのやり方があるそうです。(「知恵」はどう伝わるか :田中伊知郎著 :京都大学学術出版会)

 2頭のオトナメスは母娘か姉妹でしょうか。生後2〜3ヶ月のアカンボウも真似ているのが見られます。群れの個体識別や戸籍作りには、このような観察が必要でしょう。特に軽井沢群ではこの数年間、群れ内部のグループ化が起きていることや、市街地・人里の利用増加が見られます。適正な「保護管理」のためには、群れの状態を理解する必要があります。

by k-saru-net | 2010-07-23 21:53 | サル追いノート


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