2020年 12月 23日
雪が降る前に撮った不思議な草の紅葉です。葉の形や周囲に生えているいくつかの草から考えると、ゲンノショウコと思われるのですが、他のゲンノショウコは地面に這いつくばって赤く変わっています。なぜ、これだけが立ち上がって、金属光沢を持つ微妙な色合いになっているのでしょうか。とっさに思いついてのが「鈍色」(にびいろ)という言葉。普段は使いませんが、平安時代には広く灰色一般を指していたらしい。「色の名前と色見本」で見ると「椎鈍色」が近い。「錆色」や「嵯峨鼠」も近い。色見本の一覧を見ていると、どれほどたくさんの呼び方があるのだろうかと思う。植物の名前がついているものがたくさんありますが、その植物の花や葉や実の色からつけられた場合もあれば、その植物を使って染色した布の色に由来することもあります。 一概に多様性を尊重すると言われますが、多様性というものはその一つ一つに名前がつけられて識別されてこそ認識され記憶されるものなのでしょう。一人一人、一つ一つが固有もものとして扱われる。その他大勢が存在することは認めます、というだけではないでしょう。テレビやインターネットなどの媒体が高度化して、人は座ったまま何も語らずに、たくさんの情報を受けとることができます。声に出すこともなく、文字で書くこともない。ただただ、たくさん通り過ぎていくけれど、それで多様性が認識できているとはとても言えない。絵に描いたり写真に撮ったり、摘んでみたり触ってみたり。そんな能動的な関係の中で、多様性が身に染みこんでいく様な、関わり方の問題ではないでしょうか。
by k-saru-net
| 2020-12-23 07:33
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広く豊かな自然がありながら、市街地や農地を荒し回る軽井沢のニホンザル。人間とサルの望ましい関係を、観察と対策の実践の中から模索する人々のネットワークをめざしています。 by k-saru-net カテゴリ
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