2006年 04月 29日
前日17日、六本辻東から群れを追い、予定の方向とは45度ずれながらも、700mあまり東の山へ群れを追い上げる事が出来たのに引き続いて、今朝18日早朝は、意図した方向へ群れをコントロールしながら、離山中腹まで約800mの追い上げに成功しました。簡単に経過を報告します。 ![]() 5時頃から2名で群れの位置確認。3頭とも信号音はA点周囲で強く、離山線沿いの北側に子供を含む十数頭は目視出来るのだが、数が少ない。さらに北側の別荘地を見たいのだが、A点北には1軒、サル追いに立ち入ることを猛烈に拒否する家があるため、周囲をぐるぐる回る 5:50,A点のグループが西南方向に移動を始めて軽井沢高校グラウンドに入ると同時に、B点にいたと思われる大きなグループが東から高校内に侵入を始め、急いで高校南側の国道18号へ廻る。その時点で、旧軽井沢住民グループ3名が加わり、高校正門付近で国道の両側に出ていたサルの一団を北へ追い返す。追い払いの5名は、3人が西側を巻いて離山地区に侵入されないよう牽制し、2名が直接群れを北へ追う。西側はマンションに入っていないことを確認、離山線からグラウンドにはいり、高校内に残る20頭ほどを離山線北へ追い上げ。 西への移動を強く牽制しながら、5人がほぼUの字になりながらまっすぐ北へ追い上げ、D点南西で道路を越えて離山斜面に上がって行くのを確認。群れは大きく2グループに分かれ、西よりのグループは約30頭、東よりのグループは約50頭で山腹を上り、D点で合流したものと思われる。群れがほぼ上に上がったのが6:45,4〜5頭の逃げ遅れを追い上げたのが7時頃。1時間の攻防でした。 [ 総括 ] * 高校から国道へ向かった動きは、高校西の歩道橋を渡って線路の南を狙ったものと思 われるが、発見が早く機先を制する事が出来た。 * 5人のチームワークが良く、U字型の包囲が崩れなかった。 * 追い上げを始めると、サルの動きに合わせて動かなければならないので、トランシー バーや携帯で連絡しあう余裕がない。大声で吠えながら追うことで、お互いの位置関 係が判り、包囲陣を崩さずに追えた。 * 前日までついてまわっていたテレビ取材陣がいなくなり動きやすくなった。テレビカ メラはサルを正面から撮りたがるので、群れの前面に出ることが多く、邪魔である。 追い払い部隊の横か後ろについてきてくれる人以外は取材拒否も考えた方が良さそ う。 * 旧軽商店街では大勢でしらみつぶし作戦もあるだろうが、別荘地での追い上げは多く ても5〜6人の方がやりやすい。 * 毎日違うメンバーだから、成功例・失敗例をきちんと解析し、他のメンバーにも伝え ていく事で、グループ全体の追い上げ技術をレベルアップ出来る。 [ 4/16旧軽井沢商店街 4/17追い上げ の報告 ] 順番が逆になりますが、16日早朝、旧軽井沢ロータリーの南300mで起きた人家侵入被害の前後の経緯および翌日の住民による追い上げの報告をします。 ![]() 16日、6:00頃、群れの本隊はA点北100m付近の樹木や家の屋根上。10頭ほどがB点の八百屋店先の道路や周囲の商店に屋根に待機して、八百屋が開くのを待っている。開店には間があるので、A点の群れを東へ追えばBのグループも移動するのではないかと思い、Aの本隊を追い払いにかかるが、大きなホテルの屋上に上がってしまい移動しない。 八百屋開店の時間になり、テレビ取材陣が店先で被害が起きるのを待っているため、やむなく店の防衛にまわる。野菜を狙って来るサルをしばらく追い払って、8時頃A点の本隊を見に行くと、ホテルの南側で民家の屋根上でミカンを食べている複数のサルを見つける。玄関が開いている民家を見つけ、額縁などが散乱しているので、玄関に近づくと、気配に気づいた中型のサル3頭が飛び出してくる。玄関内に大声で声をかけ、しばらくして出てきた家人にサルの侵入を伝える。まだ、奥に残っているようなので、逃げ道を開けておいて、奥の居間に入ると小型のサルが2頭。被害が増えないよう静かに追い出すが、すれ違いざまに1頭を蹴り上げる。玄関脇の応接間にも小形の1頭が残っていて、ガラス戸を割られないように静かに追いだす。 被害は、ミカンの他、糞尿で汚された布団と玄関に飾ってあったいくつかの額縁。侵入される1時間前から爆竹や放送で注意を呼びかけていたにも関わらず玄関の施錠がして無かったようです。今回の被害者は初めてのことで、気の毒なことでしたが、度々侵入されている家もあり、被害者ではありますが、不注意でサルを誘引しているという自覚をもってもらうことも必要でしょう。家庭菜園の被害額は数百円〜数千円ですが、人家侵入の場合は布団や絨毯を汚され、ガラスを割られたりすると数万円〜数十万円の被害額になる事があります。また、赤ん坊が寝ている所に侵入されたりすると、被害金額では表せない大事にいたる可能性もあります。 その後群れはA点周辺で騒ぎ、昼頃にはロータリー付近を西へ渡ったということです。目撃していた人の話では、日曜で観光客が多く、サルの写真を撮っていたりして、サルは「人気者」になっていたらしい。ロータリーを渡るとき、周囲には監視隊の姿は無かったという事です。観光客との安易な接触を許していると重大な人身被害が起きるようになる可能性があります。観光客には説明し、追い払いを徹底する事が必要です。 夕方6時頃、群れがD点にいたとき、B点の八百屋周辺に3頭以上のサルが残っていて、野菜を狙っていました。群れ本隊との距離は1キロ近く。前の週にもロータリー周辺で店が開くのを待っていて動かない状態があり、この店がサルの誘因になっていることが明らかです。店の若い人にはそのことを説明し、対策を頼みました。さっそく、隣家との隙間からサルが出てこれないように工夫していましたが、さらにネットで左右と上を囲い、雨よけの庇を出して上から野菜が見えなくする、歩道にせり出して野菜を置かない等、被害を断固として防がないと、サルを呼び寄せて周囲に迷惑をかける存在になるでしょう。また、群れから離れてまでこの店を狙うサルがいる以上、夜明け前から店の前に2時間ほど、檻を仕掛ける事も考えられます。 17日早朝、旧軽住民による追い払いが行われ、E点に泊まっていた群れを北へ追いました。テレビ取材陣もいて、総勢が10人を越えて集まり、群れの動きが速く捕捉仕切れない内に、雲場池東側を北上。旧軽方向へ行かせたくないので、北側にも人を配置し、さらにその時点でF点にも群れの一部がいたためか、群れは雲場池に北端にある橋を渡り西側へ移動。住民部隊が爆竹等で西の山へ追い上げて、7時半にはG点に達しました。雲場池に遮られてサルも人間も動きが難しい場所でしたが、市街地から山へ追うという目的は達成出来ました。
by k-saru-net
| 2006-04-29 21:37
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![]() 広く豊かな自然がありながら、市街地や農地を荒し回る軽井沢のニホンザル。人間とサルの望ましい関係を、観察と対策の実践の中から模索する人々のネットワークをめざしています。 by k-saru-net カテゴリ
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